むなぐるま

アメリカ在住の研究者(の卵)による日常観察・オピニオン系Blog

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February 13, 2004

お葬式(伊丹十三)

少し前に見た印象では辛辣な社会風刺という印象があったのだが、今回はむしろ明るいエンディングに感銘を受けた。現代の日本の葬式においては、みんな正しい作法を守るのに精一杯で、結局は日頃のぼろが出てしまうというのがこの映画の話の基本的な枠組み。それは確かにそうなのだが、今回は、そのような決まり事だらけの葬式にも真摯な感情があらわれる瞬間があるし、結果として「いいお葬式」にもなりうる、というポジティブなメッセージのほうに気が向いた。そういえば、伊丹十三の映画で、ハッピーエンディングでない映画ってあっただろうか?

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February 05, 2004

今日の一言:マックユーザー

「マックユーザーは全くイカれている。コンピューターのような物に対して、不自然な形で感情的に結びついている人がいる。」
Wired Newsから。私もこのページは見ましたが、そこまで感情的な反応はしなかった。金持ちのバカ息子がバカなことをやっているとは思ったけれど(しっかりだまされている)。まだマックユーザー歴が浅いからだろうか。

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February 04, 2004

アメリカ大統領選

先月末から民主党の大統領候補を決める予備選挙・党員集会が各州で始まって、かなり盛り上がってきた。

今回の選挙だが、民主党支持者(つまり左寄り)のアメリカ人は、打倒ブッシュで団結している。とにかく、イラク戦争やら、環境問題の失政やらが続き、ブッシュ以外ならだれでもいい、ただブッシュ再選だけは困ると思っている人が、政治に関心のあるアメリカ国民の半分くらいを占めている。だから、政策が支持できる候補者を推すというよりは、とにかく思想や政策が極端でなく、討論会や演説で失言したり失敗することのないような候補に投票する、という方針で投票している人が多いらしい。

つまり、「選挙に勝てる」(electable)候補、ということがキーワードのようだ。

この「選挙に勝てる」候補として浮上してきたのが、マサチューセッツ上院議員のケリー氏。政策は結構リベラルだが、ベトナム戦争で従軍し、その後反戦運動の若きリーダーとなった経歴から、軍経験者票・反戦票の両方の支持をまとめている。長年上院議員をつとめたこともあり、演説は少々退屈ではあるが、まあへまはしないだろうと言われている。(下馬評の高かったディーン氏が、支持者を前にした演説で絶叫する姿をテレビで繰り返し放映され、一気に支持を失ったのとは対照的。)

もうケリーで決まりという報道もされているが、実は情勢は結構流動的だと思う。この「選挙に勝てる」という基準が、ケリーの足を引っ張りかねないからだ。彼の現在の支持者の多くは、彼の政策を支持しているというよりは、「11月の選挙で他の有権者が投票しそうな候補だから」という理由で支持している。将来の選挙に勝てそうな人に投票する選挙。ニューヨークタイムスのコラムニスト、デービッド・ブルックスが「ポストモダン文芸批評家にとっての天国」と揶揄したのもうなずける。

アメリカの政治がポストモダン状況かどうかはともかく、ここで重要になってくるのはマスコミが流すイメージの役割。つまり、この2,3週間のうちでケリーの過去のスキャンダルが暴露されて、「この候補は選挙に勝てない」という方向に論調が少しでも傾いたら、支持率低下→「選挙に勝てる」イメージの低下→さらなる支持率の低下という悪循環におちいってしまう。実際、いろいろ読んでみると、この人、そうとう爆弾を抱えているらしい。先週の週末ごろから、ケリーはロビイストから多額の献金を受けているとか、上院での投票行動と今言っていることが一致しないとか、ケリーに対する攻撃が激しくなりつつある。もしケリーの支持が急落したら、現在2番手のエドワーズ上院議員(共和党の強い南部出身で、やはり「選挙に勝てる」資質を持っている)、またディーン氏にもチャンスが出てくる。もちろん、ケリーが逃げ切る可能性もあるが、その場合は、民主党は誰も投票したくない候補を選んでしまったということにもなりかねない。最後の手段として、党大会で談合して、まったく別の候補を担ぎ出す、なんてことになる可能性もある。

そんなわけで、この選挙戦、アメリカ政治に興味のある人には面白い展開になってきた。興味のない人は、民主党候補が決まる秋口ごろから注目し始めればいいと思う。ただ現在確かなのは、アメリカ国民のうち、ブッシュに対して怒りをいだいている人々が約50%いて、現状で最高の候補者をブッシュにぶつけるためにありとあらゆる知恵を絞っているということ。この秋の選挙は、アメリカのみならず、世界中の人々が注目するだろう。

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(2006年5月 むなぐるま管理人からの受託により保管)

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