Mellel: Mac OS X のワープロソフト
先日の記事にも書いたが、最近ワープロソフトはMellelを使っている。
1年半前にMacにスイッチしたとき、せっかくMacに乗り換えたのだから、Mac OSの特徴を生かしたワープロソフトがあるかと期待していたのだが、ちょうどOS 9からOS Xへの乗り換えの過渡期で、決定版といえるソフトというのが存在しない状態だった。そこで、しばらくはMS Wordを使っていた。OS Xだけあって見栄えはいいのだが、日本語と英語を交ぜると書式が狂ったりして、不便なものだと思った。そもそも、Mac使いの友人が英語版の書誌ソフトEndnoteに平気で日本語を打ち込んでいるのを見て、Macは多言語環境に早めに対応しているという印象があった。確かに、OS XではOSレベルでユニコードに対応しているので、普通に使っているとたいていユニコードが通るようになっている。しかし、ワープロに関してはその長所が生かし切れていなかったのだ。
そこで、Mellel。去年の年末に見つけたのだが、非常に使いやすくてすぐに購入した。ヘブライ語の名前を持っていることからもわかる通り、イスラエルの会社が開発しているソフト。そもそも、OS Xは右から左に書く文字の対応が遅れていて、その問題を解消するために多言語対応ワープロを開発したというのがその成り立ちらしい。
長所はいくつかある。まず、多言語に対応していること。実は、多言語と言うよりは二言語であって、アルファベットに続く二次的な文字セットとして、CJK(中国語・日本語・朝鮮語)文字、ギリシャ文字、ヘブライ文字などのフォントを決められる。文字ごとにフォントと文字の大きさが決められるから、文字がきっちり決まってくれる。Wordと違って、日本語と英語混じりの文でも、書式がずれることはない。
それから、シンプルな操作。Wordにはいろいろな機能がついているが、9割方が普段は使わない機能である。私の場合、論文が書ければいいので、グラフや画像などの機能は必要ない。その代わり、段落やフォントの設定が複雑で、思い通りの出力ができなかったりする。この点、Mellelは、ページ・段落・文字のそれぞれについて「スタイル」を設定できる。特定の用途に対して、それぞれスタイルを決めておけば、部分をいちいちいじらなくても文章全体の書式がぴったり決まってくれる。思った通りに動いてくれるシンプルなワープロというのは、使っていて実に気持ちがいい。また、機能を絞り込んでいる分、動作も軽くていい。また、註釈の書式も細かく決められるので、とても便利。
このワープロに加え、最近Atok 16を使い出した。このバージョンではついにJIS第三・第四水準文字に対応して、Mac OS X 10.1から標準装備になった約2万字すべてが候補に出てくれる。また、文語モードも搭載して、古文の打ち込みも楽になった。(別にいつも使っているわけではないが、前から使えたらいいのにと思っていた機能。)これで、正字・正かなの文書もきれいに、正確に打ち出せる。また、互換性の問題はあるが、原稿段階で渡す場合はRTFで保存すればいいし、印刷コマンドからPDFで出力してもいい。(OS XはPDFにOSレベルで対応しているが、OSのアップデートの度に出力がきれいになっているようだ。)
Mellelは、論文や書類のような文書作成に特化しているので、画像などが混ざると少し不便。また、日本語縦書きには対応していない。でも、欧文で文書を作る必要がある人にはおすすめ。とくに、研究者で、欧文や欧文混じりの横書き文章を書く人で、シンプルでぴしっと決まった文書を作りたい方にはぴったりだと思う。値段も$29と安い。
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