Vertical, Inc.
New York Timesに、ニューヨークの日本文学専門出版社Vertical, Inc.の紹介記事が載った。この出版社については前から聞いていた(記事で紹介されている編集者にも一度会ったことがある)。
英語の日本文学の翻訳書はまだまだ少ない。その理由は、これまで、日本文学は英語圏では売れないという定説があって、メジャーな出版社がなかなか手をつけなかったからである。固定読者層がいなくて、(ヨーロッパと違い)文化の違いでなかなか理解されにくいので売れないという理由。しかし、本が出版されなければ固定読者層もできにくいわけで、ある種の悪循環に陥っている部分もある。この辺、アメリカで日本文学を教える私には歯痒いものがあった。
しかし、この10年、このような状況が変わりつつある。その最大の理由は、村上春樹の出現だろう。村上春樹の作品は上に書いた日本文学のステレオタイプからはずれている。日本について必ずしも興味や知識がなくても共感できるし、世界中に固定ファンができている。この流れに乗って、ポピュラーな日本文学を売っていこう、というのが、Verticalの読みなのだと思う。
今のところ、ラインアップとしては、江國香織や『グイン・サーガ』など。こうして紹介記事が載ることも宣伝効果になっていると思う。彼らにはぜひ経営的にも成功してもらいたいと思う。
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Listed below are links to weblogs that reference Vertical, Inc.:
» クリスマスの一日 from ワシントンDC雑記
ワシントンDCは、今日もとんでもなく寒かったです。天気はいいのですが。
Verticalという、ニューヨークで手塚治虫の『ブッダ』や鈴木光司の『リング』などを... [Read More]
Tracked on Dec 26, 2004 1:06:24 AM
Comments
古い記事に対するコメントにて大変恐縮です。
私も最近Vertical社のことを知人から聞き、編集者の方とも連絡をとらせていただきました。次の機会にお会いしようと思っています。
彼らの活動を支援できたらいいな、と思っています。
最近、むなぐるまさんのバックナンバーを少しずつ読んでいますが、この記事といい、lost in translationやfog of warの話といい、自分の関心領域と重なる面を多く見受けます。自分が記事を書くときの参考にさせていただいております(書いてからむなぐるまさんの記事を見て、しまったー、もう取り上げられていたんだ、と思うこともあり・・・)。
ブログ初心者の私も、むなぐるまさんのブックマークなど見ているうちに少しずつ世界がつかめてきました。なかなか勉強になりますし、interactionが活発なところなど、大変刺激があります。
色々とどうもありがとうございます。
Posted by: Junya | Dec 23, 2004 10:23:09 AM