むなぐるま

アメリカ在住の研究者(の卵)による日常観察・オピニオン系Blog

« 運がよけりゃ | Main | ウッドワードのイラク本 »

April 16, 2004

「『日本にも新世代育つ』 仏紙が3邦人の行動を弁護」

朝日新聞の記事。こんな記事がアサヒ・コムのトップ記事になっている。

たぶん、朝日新聞としては、「自己責任」論が席巻する現在のメディアで、なんか元「人質」をポジティブな目で捉えた記事を探してたんだろうな。「身内」をかばう気持ちはわからないでもないので、朝日に対する反応は省略。
 問題は元記事になった『ル・モンド』の論説。

軽率で無邪気すぎるかもしれないが、ネクタイ・スーツ姿と夜遊びギャルの間に、激変する社会に積極的にかかわろうとする者がいることだけは分かった。彼らは自分なりに世界を変えたいと考えている。
タイトルからして、「新世代」だって。私の知人の日本学の教授が、「アメリカのメディアでは、『伝統に反抗する新しい世代』というレトリックは日本を語るのに昔から繰り返し使われてきた。なぜ今になってもみんな飽きないんだろう?」って言っていたけれど、これもそのおなじみの論調をなぞっているだけ。欧米人の日本ウォッチャーは、明治時代から、日本に「近代化」「民主化」「改革」(つまり「西洋化」)を期待するか、その過程で失われる「伝統」を惜しんでみるか、そのいずれかを繰り返してきた。明治維新が戦後の民主化になり、NGOになっただけ。日本は、いつまでたっても大人になれない永遠の12歳なのだ。  推測するに、どうせ、現場に出ないでオフィスにこもっている支局長がTVのニュースを見ながら自分の思想に合った記事を思いついて、そのまま書いたんだろうな。NGOの活躍などと言うが、別に若い世代だけが活躍しているわけではなく、昔から地道な活動を続けている団体は日本にもいくつもある。

しかし、こういう、具体的なデータも検証も論理的考察もない片手間クズ記事が、フランスの一流紙に載って影響力を持ってしまうというのが、欧米メディアの現実なのである。

 同じ朝日だが、船橋洋一氏の今回のコラムには賛成せざるを得ない。テロの温床をなくすことを理由の一つのして始められたイラク戦争が「テロリストの思うつぼ」だった、というのは、現状を見ると否定できない。では、そこからの「出口戦略」とは何なのだろうか。

|

TrackBack

Listed below are links to weblogs that reference 「『日本にも新世代育つ』 仏紙が3邦人の行動を弁護」:

Comments

(2006年5月 むなぐるま管理人からの受託により保管)

ウェブログ図書館 http://library.jienology.com/