「日本発の映像、音楽を世界へ」
読売新聞の社説(5月28日)から。日本発の映像・音楽・出版などのコンテンツ発信を支援しようという話。
「日本発コンテンツ」を世界に発信しようと、内閣府の知的財産戦略本部が、「コンテンツビジネス振興政策」をまとめた。
制作資金が調達しやすい仕組みを作るなど業界の基盤整備や、人材育成、資金面を含めた海外展開の後押し、といった十項目が並ぶ。映像デジタル技術の研究開発、活用推進も掲げている。
政策支援のため、今国会では、議員提出で、「コンテンツの創造、保護及び活用の促進法」も成立した。
映画に絞って言うと、いちばんややこしいのが著作権関係である。
たとえば、日本の映画をアメリカで(合法的に)上映しようとすると、日本のオリジナルの配給会社に連絡して、北米での上映権をどの会社が持っているか確認して、今度は北米の配給会社に連絡して上映する段取りを詰めることになる。この辺のプロセスが入り組んでいて非常に面倒。人の入れ替わりが激しい業界だし、秘密主義なんかもあったりして、必要な情報が手に入るまで一苦労する。映画会社が協力して権利関係の情報や上映可能なフィルムを一括して提供する情報センターみたいなものをつくれないものだろうか。
(ここに書いたのと似たような役割を果たしている団体としては、国際交流基金の文化部が、16ミリの映画字幕つきフィルムを送料のみで提供するというサービスがある。このサービスも、上映権は別に映画会社と交渉しないといけないし、提供する映画のリストは映画会社の方の要請で公開していないとのことで、制約も多い。)
コンテンツの著作権というと、著作権を守ることばかり考えてしまうが、権利関係の手続きを簡略化して合法的に視聴したい人たちに著作物が手に入りやすくすることも大事だと思うのだがどうだろうか。例えば、アメリカではアップルのiTunes Music Storeをはじめデジタル音楽ビジネスが着実に地歩を固めているが、このビジネスモデルで一番ネックになるのはやはり権利関係。iTunes Music Storeを日本でも展開するという話はあったと思うが、どうなったのだろう。
それから、もう一つ、シンプルなことなのだが、新作映画に英語字幕を付け、字幕付きのフィルムやDVDを入手しやすくすることも、日本映画の人気を高めるのに結構効果があると思う。最近の新作映画は、海外映画祭に出品するときにプロに依頼して字幕を付けていることが多いので、字幕付きのフィルムはどこかにあるはず。また、字幕のテキストがあるのだから、DVDに英語字幕を付けるのも比較的容易だろう。字幕をつけるだけで、海外に紹介される可能性がある作品の総数が大きくなるわけだから、有効な手段だと思うのだが。この社説に書いてある政府のプロジェクトのようなものを通して、英語字幕を付けるのに補助金を出すとかしたらいいと思う。
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Comments
日本政府もイキなことをやるもんですね。
イイ! 「ものづくり大学」みたいな高度成長期ノスタルジーよりもずっといい。
個人的には、映画なら中西礼原作の「長崎ぶらぶら節」を、音楽ヴィデオなら津軽三味線の吾妻宏光のAGATSUMA LIFEを、英語字幕つきで世界に発信してもらいたい。
むなぐるまさんなら、どんな作品を紹介作品リストにリクエストされますか?
Posted by: ぱれいしあ | Sep 26, 2004 10:52:45 AM