虐待はホワイトハウスからの指示?
ウォールストリートジャーナル紙は、ペンタゴンの機密文書を公表。この文書は2003年3月6日付け。捕虜に対する尋問を「合法的に」行うことについて法的・歴史的・実務的根拠についてのレポート。結論として、大統領は違法な尋問行為を許可する権限がある、という結論を出している。(この結論に関して議論しているブログはこちら。)
以前から、同時多発テロ以来、ホワイトハウスか政権上層部から、捕虜に対する尋問を厳しくする指示が出され、多少違法なことをしてもよいという許可が出ていたというレポートがあったが、この文書はそれを裏付けることになる。このメモの公表を受け、今日の公聴会でアシュクロフト司法長官は「ホワイトハウスは拷問を認めていない」と必死で反論している。
アメリカのニュース番組はレーガン大統領死去の弔意ムードで一色だが、これはブッシュ大統領にとっては、ひとつ間違うと致命的な展開になりうる。あの虐待が政権上層部からの具体的な指示で許可されているとなったら、大統領側の「あれは一部の兵隊が勝手にやったこと」という言い訳が通用しなくなるからだ。
この虐待事件、対アラブ外交的にも、「われわれが生きている間には修復不可能」(元軍関係者)なダメージを与えたが、それ以上に、アメリカ国民のアイデンティティに関わる問題なのである。アメリカ人の多くは、アメリカという国は軍事力による超大国ではなく、世界に自由をもたらす道徳的なリーダーと信じている。虐待事件はそのアイデンティティの部分に深い傷を与えてしまった。一部の世論調査では、本来ブッシュ氏支持で堅いはずの保守層でもブッシュ大統領の支持率が落ちてきているというが、この事件の影響が何よりも大きいだろう。ノルマンディーでの米仏会談、政権委譲の国連安保理事会の決議、またG8サミットと、ブッシュ大統領としては外交の成果が大きかった1週間だし、イラク情勢も次期首相が表に出てきて政権委譲のプロセスが着々と進んでいるのだが、この捕虜問題はどのような影響があるのだろうか。
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