むなぐるま

アメリカ在住の研究者(の卵)による日常観察・オピニオン系Blog

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July 12, 2004

ブロガー燃え尽き症候群

WIRED JAPAN に『ブロガーに蔓延する「燃え尽き症候群」』という記事が載った。(7月12日付け)

ブログを書くようになって、この手の話題は時々見かける。5月には、イラク戦争のさなかにバグダッドからブログを書き続けたイラク人ブロガー、サラーム・パックス君がブログ休止して話題になった。ニュース記事(オーストラリアの新聞のオンライン版)のタイトルは、「サラーム・パックス、ブロッギングの耐えられない重さに負ける」。(こういう話題がニュースになるというのも少し前には考えられないことだが。)それから、WIREDの記事でインタビューもされているグレン・レイノルズ教授も、有名ブログ Instapundit.com でよくこの話題を持ち出す。昨日(日曜)も、「昨日からインターネットに繋げてない。非常にエンジョイしている」と書いている。(この人、更新するときは一日中びっしり更新し続けるので、結構プレッシャーがあるのだろう。)さらに、切込隊長BLOGにも、「BLOGを書いていて困ること」という記事が出たことがあった。(この記事は面白い。必読。)そこで、「ブロガー燃え尽き症候群」など、ブログを書くときの問題点としてよく出るポイントについてコメントしてみる。
●時間を取る
記事を書く時間だけではなく、記事を書くために調べものをしたり、他の人のブログを訪問したりして、ブログ関係の時間がどんどん増える。Instapundit.com からリンクしていたある大学教授のブログ記事では、読書の時間や映画の時間が減っているけど、研究の時間には影響してない、と書いている。この人によると、もともとブログを書くような人は知的なことに執着する傾向があるから、もともと他の知的活動に向けられていたエネルギーが振り分けられるだけで、合計としては変わらないとのこと。確かに、研究に使う頭の部分とブログを書くときに使う頭の部分は違うと思う。ただ、このバランスが崩れると仕事に影響するのは確かだろう。私も気をつけないと…。

●読者の期待に添うような記事を書こうというプレッシャー
これは大きいかも。WIREDの記事によると、レイノルズ教授もこれを一番厄介に思っているらしい。そもそも、個人ブログの場合、自分が好きで書いているんだから、理想としては、好きなことを好きなときに書くべきで、自分が好きなことが書けなくなったら本末転倒のはず。でも、読者数を増やしたいとかいう欲が出てきたり、読者からフィードバックをもらったりすると、だんだん読者の好みそうな話題について書こうと思って苦労したりする。この対策としては、自分がどういう読者層に向けて書いているのか、はっきりイメージを浮かべることが重要だと思う。自分の経験でも、この辺がはっきりしないと、個々の記事を書くのにも時間がかかることが多いように思う。

●記事を書かないと病気でもしたのではないかと心配される
切込隊長は「BLOGを三日書かないと死亡説が流される」と題して、こう書いている。

忙しかったり出張していたり精神的にへこんでいて更新できないときに限って「死にましたか?」とかいうメールや電話が入る。逆に、いくつもBLOGを書いていると暇と思われて仕事を押し付けられる。
私はこういうメールが来たことはないけれど、むしろ心配させまいと思って、アイデアがないときにも記事を書こうとしたりするときが一番疲れる。

●コメント欄の管理に手間も時間もかかる
まず明言しておきますが、この問題は拙ブログでは(今のところ)あてはまらない。訪問者の方のコメントは非常に勉強になるものが多いし、読んでいて楽しい。また、まだまだ量も少ないので個々に対応できている。むしろ、もっとコメントをいただけるとこちらも更新のしがいがあるというもの。
 でも、特に大手のブログではこれが結構問題らしい。コメントの量もそうだが、著者に個人攻撃されたり、コメント欄で論争が始まってしまったり、いろいろと問題が起こって大変らしい。WIRED の記事でも、Whiskey Barというブログでコメント機能を停止したという話題が出ているが、日本の有名どころでは宮台真司のMiyadai.comでも最近コメントが廃止された。宮台氏は

コメント欄に書き込みをいただいて嬉しく思うのですが、一部の方々を除いてレベルが低すぎるので公共的な意味が存在しないと判断しまして、コメント欄を廃止してトラックバックだけ受け付けることにしました。レベルの低い個人を特定してコメント禁止にするアイディアも考えたのですが、クダラナイことに時間を使いたくないので一律廃止とします。いろんなブログでレベルを維持するために取られている措置なので、あしからず。
と書いている。
 この問題についてのDaniel Dreznerのブログ記事では、コメントの質はヒット数が増えるに従って指数関数的に悪くなる、と分析している。Dresnerは、それでもコメント機能を使い続ける理由を5つ挙げていて、これが結構面白い。私なりにまとめてみると
▼何度もちょっかいを出す連中はいつかぼろを出すから、無責任な行動は長期的には淘汰される。
▼最近のブログサービスにはスパムコメント対策やIPブロックなど、悪質コメントに対応する技術が発達している。
▼コメントの言葉づかいは、ブロガーの言葉遣いを真似するものだから、自分が気をつけていれば悪質コメントをしにくい雰囲気が出来る。
▼アカデミックの世界に比べれば、悪質コメントなんてまだまだお上品なものだから我慢しろ。(むなぐるま註:これは本当。)
▼コメントのよい面も忘れるな。特に、いろいろな人と知り合うことが出来る点。

ともかく、趣味でやってるんだから、「燃え尽き症候群」になったりしたら本末転倒。これらのポイントに気をつけて楽しくブログしたいものですね。
 で、私ですが、まだ「燃え尽き」という状態にはほど遠いのでご安心を。でも、上に書いたことがあてはまるような状況は時々あるので気をつけないと。もう少し慣れてきたら楽になるんでしょうが。まあきつくなったらいつでもやめてもいいという位の気持ちで気楽にやっています。

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Listed below are links to weblogs that reference ブロガー燃え尽き症候群:

» 最近ご無沙汰ですが from ( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェーヘェーヘェー
なんか、自分のBlog更新しないで他人様のBlogにコメントばっかり入れてますけど… やっぱBlog燃え尽き症候群なのかしら… #むなぐるまさまのBlo... [Read More]

Tracked on Dec 3, 2004 10:35:25 AM

» 似たようなもんだが from Goemon's place blog(ブログ)
どうも燃え尽き症候群っぽい 一応うつ病なんですけどね、何かをやり出すと数日で何も [Read More]

Tracked on Dec 14, 2004 2:10:29 PM

» 休止宣言 from もりもりもりあがる雲へ歩む
最近なんだか「休止」だとか「放置」だとか・・・Lovelogerでも何人かの方が(´・ω・`) ブロガーに蔓延する「燃え尽き症候群」 比較的後発のLovelogにしてからが、ベータ版開始からだと1年近く。 正式版の登場からでも8ヶ月以上経ちますたからねぇ・・・。    ... [Read More]

Tracked on Jun 10, 2005 9:00:12 AM

Comments

《コメントの言葉づかいは、ブロガーの言葉遣いを真似するものだから、
自分が気をつけていれば悪質コメントをしにくい雰囲気が出来る。》
という点について、宮台真司氏のMiyadai.comについては、
まさにあてはまったのではないかと想像されます。

彼と同世代の私は、
その団塊世代をやっつける容赦なさ(※)が好きだったりもするのですが、
たとえば、それをコメントする人もまねしたりしたのではないでしょうか。

宮台氏は私の勤める学校のOBで、
講演会に来たことがあり、その後の酒席で、
「宮台さんって○o○○依存症だったでしょう」
なんて、ここには少し書きにくいようなことを言ってしまったら、
苦笑いしていました。

《むしろ、もっとコメントをいただけるとこちらも更新のしがいがあるというもの。》という言葉に甘えて、さっそく書かせていただきました。

※ 宮台真司氏は、その朝日新聞夕刊での論壇デビューから、
団塊批判が鋭かったのですが最近のものでは、
http://www.miyadai.com/index.php?itemid=92

Posted by: tito | Jul 15, 2004 5:09:21 AM

>titoさん
罵倒芸もいいんですが、やはり内容が伴わないとダメですよね。特に、ブログはすぐにフィードバックできる媒体なので、著名な評論家の口癖をまねてコメントする人が出てきて、互いに罵倒し合うなんてこともあるんでしょう。

Posted by: むなぐるま | Jul 15, 2004 8:01:33 PM

(2006年5月 むなぐるま管理人からの受託により保管)

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