むなぐるま

アメリカ在住の研究者(の卵)による日常観察・オピニオン系Blog

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July 12, 2004

参議院選挙メモ

民主党が躍進といいますが、日本の雰囲気がわからないのでコメントは控えます。いずれにせよ、衆院解散がなければ三年後の参院選まで選挙がないとのことなので、小泉首相はひきつづき自民党をぶっ壊すように。(笑)それから、民主党は、安全保障・外交などの最低限の了解事項を確認して安心して政権交代ができるようにして欲しい。それにしても、特に比例で労組やらマイノリティ系の候補やらが多く当選してるのは、何なんだろう。(参考:hima2908さんのブログ)マイノリティ系候補を立てること自体には反対しないが、外国人参政権など国家の根幹に関わる問題で足かせになるような人を選んでいなければいいのだが。
irregular expressionの分析記事。なるほど、今回の民主党の議席の上積みは、3年前の「小泉人気」の時の浮動票なんだ。納得。

セカンド・カップの川上直子さんの選挙雑感。なるほどと思ったのは次の分析。

ただ、そうはいっても、ではどうして[自民党は]この凋落でもここまで善戦できているのかといえば、誰でも知っている通りの創価学会様様状態が一方にあり、他方には、隠れたアジェンダたる「日本」問題があるからだろう。まったく気づかず「従来通り」の人が基礎票だとしても。つまり、この前小沢氏が苦衷を表明していたような永住権保持者の地方参政権に象徴されるような、というか、ぶっちゃけ朝鮮問題というべきだろう問題によって、いいやオレはこっちを選択するという人が古層と新層に渡って存在する。しかし、だとしたらこれって結構スパイラルだと思う。
 他方、民主はといえば、小泉的手法+半分創価学会じゃんか、で、もうこんな自民は間違いだ、となって流れた地方票によって成立している部分と、従来からの都市部反自民票で成立している。つまりここは実は、アンチの吹きだまり。そして伸びない理由は、上のぶっちゃけ問題が底流にあってより都市民的なところで人が離れているってことだろう。そして、実はこっちもスパイラル的。
今回の選挙で「民主党にはちょっとまだ任せられない」と思った人の不安感を一言で言うと、この「日本問題」ということになるんだろうと思う。少なくとも私はそうだった。一方、自民党に入れたくないという人の、いわゆる抵抗勢力の昔ながらの政治手法にあきれる気持ちには共感できる。福井であの官房副長官が再選とか、あの郵便局のおじさんが復活とか、私も正直うんざりする。で、川上氏がいうように、この不安定な現状は当分ほどけないだろうと思う。
 こういう、両方の党が互いのアンチとしてしか存在意義がないねじれ状態は解消されるのだろうか。両方の党の間に、ポジティブな対立軸ができることが第一。それから、上にも書いたが、民主党には、基本的な外交・安全保障政策の上で自民党とある程度の共通了解を持ってもらわないと。アメリカではケリー候補が「テロとの戦争」継続を表明したし、イラク戦争批判は本選挙の綱領に載らないという。また、ブッシュ大統領とイラク戦争を進めた今のイギリスの政権は労働党だというのも、日本の常識で考えてみるとすごい。
 と、ここまで書いてみて、川上氏の言う「日本問題」と、私が「外交・安全保障政策の共通了解」と考えるものは、実は重なる部分が多いのではないかと思う。すなわち、対北朝鮮政策やら外国人参政権のような「日本問題」のために民主党に入れられないと思っている人にとっては、「日本問題」にくくられるような問題の多くは国家の基本に関わる問題だから、妥協の余地はないと考えているのではないだろうか。言い換えると、左翼やカタカナサヨクの人達にとっては「日本問題」は「偏狭なナショナリズム」の現れであり、日本が他国に比べても突出している問題なのだが、保守の人達にとっては、「日本問題」には、むしろ国際社会の大部分のスタンダードであり、最低限のラインと考える問題が多く含まれているのではないだろうか。もし民主党がそれらの「最低限の共通了解」の問題の多くに(民主党なりでもいいから)まともな解答が与えられないとしたら、保守の人達は民主党にはなかなか投票できないから、「日本問題」が対立軸であり続けると思う。それは私にはすごく不毛なことに思える。いっぽう、「日本問題」には、正当な政策上の差異になりうる問題も含まれている。どこまでが「最低限の共通了解」で、どこからが「正当な政策上の差異」なのかを見極めるのが、このねじれを解消する鍵かも知れない。

追記:goriさん@irregular expressionの「人生いろいろ」発言にまつわる偏向報道の記事は必見。古賀センセイの件でもそうだったが、民主党は、自民党を批判しても自分にすぐ返ってくるんだよな。だから批判するなと言うのでなく、自分の立場もわきまえず批判を繰り返す無責任さが問われているのを民主党のセンセイたちは気付いているのだろうか。

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Tracked on Sep 3, 2004 10:18:47 AM

Comments

コメントありがとうございました。川上です。URLにコメントのコメントを書きました。とても適切なコメントをいただき感謝しています。これからもどうぞよろしくお願いします。いろいろ教えてくださいませ。

Posted by: Soreda | Jul 13, 2004 12:49:17 AM

「( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェーヘェーヘェー」の管理者・hima2908です。
私のBlogにトラックバック頂いて恐縮です。
喜納昌吉問題(特に「市民の党」との関わり)に関しては
民主党のアキレス腱になりかねないと思います。
それに関しては、資料を書き足しましたので
見て頂ければと思います。

メモ欄にある「風雲たけし城」がアメリカで未だにウケているという話、結構興味深いです。
今これを日本でやろうとすれば、こんな感じで半ばお笑いのノリでやったらクレームの嵐でしょうし、現在のテレビ局にもそんな番組をやる勇気もないと思います。
それに近い番組は「黄金筋肉」になると思いますけど
http://www.tbs.co.jp/g-muscle/
8月からは細木数子の毒舌占い番組になるようだし。
ともかく、最近はテレビの視聴者層が主婦・高齢者中心になっているようで、それ好みの陰気な番組ばかりでつまらないです。
アメリカでは「料理の鉄人」が放送されていると聞きますが、そういった海外にも売れる素晴らしい番組が日本での放映チャンスを失うことがとても悲しい。

一方、私はつまらない日本の番組に見切りつけてCNNなんか見ているのですが、日本向けがInternationalとCNN/US・CNNfn混成編成になってから、アメリカ国内向けと国際向けの視点の違う報道を見比べられて結構面白いんですよね。無論英語はからしきダメなので(苦笑)、1日18時間の同時通訳頼みなのですが。

これからも、期待しておりますのでよろしくお願い致します。

Posted by: ( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー | Jul 13, 2004 2:19:43 AM

>川上さん
コメントありがとうございます。そちらの方に私のお返事を書いておきました。こちらこそよろしくお願いします。

>( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェーヘェーヘェーのhima2908さん
 コメントありがとうございます。
 喜納昌吉氏については、調べれば調べるほどいろんなことが出てきていますね。民主党が政権を担いたいんだったら、こんな人を抱えていてはまずいと思いますが。まあ、akiさんが予想していたように、6年持たずに辞職してしまうんでしょうけれど。
 「たけし城」については、Slate.comの記事の紹介がてらまた書くかもしれません。
 これからもよろしくお願いします。

Posted by: むなぐるま | Jul 13, 2004 7:52:08 AM

エントリ拝見しました。恐らくむなぐるまさんが政治学まわりを研究されているのではないかと拝察してのコメントです。。。

「ねじれを解消する」ために、むなぐるまさんがいくつか挙げられたポイントが醸成されるにあたっての”基礎条件”をどう整えるか、が今後の日本の政治におけるポイントではないか、と思われます。

日本にしろ、米国にしろ、また欧州各国にしろ、全ての国民が、自国の政治状況を十分理解して選挙etc.の場で判断を示しているわけではないと思われます。

・・・とした場合に、何が整えば基礎条件がクリアできるのか。「国民の意識」といったところのほかに、より実効的な条件がいくつかあるのではないかと思われます。

むなぐるまさんが挙げられた前回の参院選の状況は、「支持基盤の希薄化」といいますか「信頼できる支持基盤の縮小/消滅」といったところが背景にあるといえます。マイノリティコミュニティを当てにしないと、組織票がとれない(逆にそこが固まれば、1議席確保するぐらいの得票規模になる)という現実的な計算がそこには働いていると考えてよいでしょう。
そしてこの集大成が逆に「対立軸ができない」「与野党で外交政策に関する明確な共通了解ができない」というところにつながっているのだと思われます。

・・・と考えると、1ついえるのは、2大政党制に無理があるのかもしれません(特に民主党)。政党がより多数に分かれて、選挙が終わった都度政策協定で縛る、というのが、むなぐるまさんの挙げられたポイントを実現するのにより近い形なのかもしれません。

以上、拝読しての雑感であります。

Posted by: Chuck_UGOne | Mar 16, 2005 11:05:50 PM

(2006年5月 むなぐるま管理人からの受託により保管)

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