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September 28, 2004

都会が地方を養っているアメリカ

アメリカ政府の財政と政治の関係について。
Red States Feed at Federal Trough, Blue States Supply the Feed
(TaxProf Blog; via Andrewsullivan.com)
前回の選挙でブッシュ氏を支持した州("Red State")は予算を多く受け取り、前回ゴア氏を支持した州("Blue State")はその逆だという。

連邦政府の予算割り当てが多い州(納めた税金1ドル当たりー太字はブッシュ氏を支持した州)

1. D.C. ($6.17)
2.
North Dakota ($2.03)
3. New Mexico ($1.89)
4.
Mississippi ($1.84)
5.
Alaska ($1.82)
6.
West Virginia ($1.74)
7.
Montana ($1.64)
8.
Alabama ($1.61)
9.
South Dakota ($1.59)
10.
Arkansas ($1.53)

連邦政府の予算割り当てが少ない州(納めた税金1ドル当たりー太字はゴア氏を支持した州)

1.
New Jersey ($0.62)
2.
Connecticut ($0.64)
3. New Hampshire ($0.68)
4. Nevada ($0.73)
5.
Illinois ($0.77)
6.
Minnesota ($0.77)
7. Colorado ($0.79)
8.
Massachusetts ($0.79)
9.
California ($0.81)
10.
New York ($0.81)

このデータ、もちろんブッシュ氏が自分の支持層に手厚い保護をしているという選挙対策的な理由もあるだろうが、それ以上に、都会対地方という構図もあるのではないかいう指摘がある。現在の政権は財政赤字が増加する一方で、伝統的に財政引き締めを支持するアメリカの保守政治とは相容れないといわれているが、じっさいにその支出の利益を受けているのは経済的に弱い田舎であって、そのツケを払わされているのが都市住民ということなのだ。だから、ブッシュ氏がいくら支出を増やしても自らの支持層からは文句が出ない。

さて、こうしてみると、この2、3年の共和党の政策は、日本のかつての自民党に似てきたのではないかといえる。地方を保護する予算を手厚くして地盤とする。財政均衡などにはあまり関心がない。一方、都会からは税金の持ち出しとなり比較的冷遇される。この構図を支えているのは、都市の一票が比較的軽くなると言う「一票の格差の不公正」である。アメリカの大統領選は単純多数決ではなく選挙人制だし、アメリカの上院(下院よりも多くの権限を持っている)では、議員はカリフォルニア州からメイン州まで各州二人ずつという、一票の格差という意味ではかなり極端な制度になっている。また、この制度を変えるための憲法改正には議会の2/3の賛成が必要だから、上院を通過するはずがない。

このような制度は、地方の発言力を強くするためであるといわれる。このしくみについては、はっきりソースがないのだが、ジェファーソン以来、都市住民というのはあまり政治判断という意味では信用できず、むしろ地に足のついた地方の住民が長期的に正しい判断をするという、ある意味保守的な原理に基づいたものだと聞いたことがある。都市住民と地方住民のどちらが正しい政治判断を下すかという原則論はともかく、とにかく現在のブッシュ氏のリベラルな財政政策は選挙力学的に理にかなったものといえるし、現代アメリカ政治のイデオロギーを考える意味でも面白い。

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