第一回大統領選討論
今日は仕事が終わらなくてまだオフィスです。
今日の討論、両方ともよく準備していたと思います。一方、両者とも弱点をさらしていた部分もあり、これから数日かけて両陣営が分析していくでしょう。
外交・防衛問題は私の専門ではないし、少し疲れていて余り集中して聞けなかったので、とりあえず印象だけ記しておきます。
○ブッシュ大統領は、最初の方は何か苛立ったような様子だった。疲れているのかもしれない。彼は、時々記者会見などでこういうことがあるのだが、イライラしているのが言葉の端々に現れて、短気に見えるし、こういう時に限って言葉に詰まったりする。ケリー氏に対しての反論で「(外交政策の批判は)敵に間違ったメッセージを送る」というのを繰り返していたが、いらついたような口調だったので、感情的な反論という印象を与えていたと思う。リラックスして来たのは最後の方で、「ケリー氏の人格は大統領に適格ですか」という、ある種のひっかけ問題が出たときも、ケリー氏を「家族を大事にする人」などとほめる余裕を見せた。あのペースで最初から行けば良かっただろう。
○その点ではケリー氏は最初から最後まで安定していたと思う。タフなイメージを表に出すのに成功していた。論点もけっこう豊富だったし、現政権の批判についても、「アメリカはイラクで90%の死傷者、90%の経費を負っている」とか、「(開戦時)イラクより危険な国は30から40あった」など、鋭いポイントが飛び出していたように思う。いろいろなブログをざっと見渡したところでも、議論に限って言えばケリー氏の判定勝ち、という様子である。(もちろん、どちらが勝ったかというのは、討論後の両党の反応も含めて決まってくるので、まだわからない。)
○外交・本土防衛はブッシュ氏が有利なトピックのはずだから、ブッシュ氏はもっとポイントを挙げるべきだったのか、それとも、ケリー氏は後を追っているのだから、KOパンチが出なかったと言うことはブッシュ氏が逃げ切ったというべきか。この辺を両党の代表がいろいろと論じ合っていくことになるだろう。
○私は、ケリー氏がころころと政策を変えているというのが、政治家の批判の対象になるとは思わない。そう言ったら、ブッシュ氏だって何度も政策を変えている。だから、ブッシュ大統領がケリー氏を "Flip-flop" などと言っている批判は、私にはあまり説得力がなかった。
○一方、ケリー氏が論点がぶれる、というのは言えると思う。次に何を言い出すかわからない、という不安があり、今日言ったことも分析していくといろいろと矛盾が出て来そう。アメリカにとって一番問題になりそうなのは、ケリー氏が、「先制攻撃の権利を放棄したりはしない」と言いながら、軍事行動には「国際社会のテスト」をパスしなければならない、と発言。自国の安全を守るためには国連の許可がなくても先制攻撃もして欲しい、と思っているアメリカ国民が反発することはないだろうか。
○ブッシュ氏は、ケリー陣営の「アラウィ首相は傀儡」発言を批判。また、ケリー氏が、イラク戦争に参加した国として、ポーランドを忘れていて、ブッシュ氏が訂正するシーンも。ブッシュ氏がポーランドで人気があるというのも理解できるだろう。
○ケリー氏の対イラク政策の中心は、サミットを開催して国際社会の協力をとりつけること、ということらしい。また、各国に戦費支出も、と言っている。日本の支出増大は必至だろう。一方、ブッシュ氏はイラク人による軍隊の訓練がメインだから、これ以上日本の負担が増えるということはないと思う。
○日本の方にとって、一番大きな問題は、やはり北朝鮮問題だろう。興味深いのは、ブッシュ大統領の外交は、イラク戦争のため一国主義、国際社会無視というイメージがあるが、北朝鮮に限って言えば、6か国協議の堅持、中国・ロシアとの協力など、実に手堅い政策をとっている。一方、ケリー氏はこの討論では「北朝鮮との直接対話」と繰り返していたが、それは金正日を利することにはならないのだろうか? また、外交の知識に乏しいと言われるブッシュ氏が、北朝鮮の核疑惑についてケリー氏の誤りを正すシーンがあった。北朝鮮問題に限って言えば、現状把握、戦略、どの面でもブッシュ氏の方が安定感があるといえる。
○ダルフール。ケリー氏は「ウガンダの過ちを繰り返してはいけない」と決意表明。ダルフールへの軍事介入はフランスや国連が反対しているのでは? 「独断的な外交」はしないはずじゃなかったの?
非常におおざっぱな印象としては、ケリー氏、意外としっかりしてる、という感じだったと思う。これを足がかりに、残り二回のディベートで今までの流れを変えることが出来る可能性はあると思う。
以上。これから帰って、寝る前にもう少し仕事…。
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