むなぐるま

アメリカ在住の研究者(の卵)による日常観察・オピニオン系Blog

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October 04, 2004

ブログを書いて商売になるかどうか、について

私のよく読むブログで、ブログというメディアについて面白い議論が展開されている。きっかけは、切込隊長BLOGの、
更新されないブログの憂鬱 〜ユーザーの手元に新技術は届いているか?
という記事で、これに「極東ブログ」のfinalvent氏が長いコメントをご自分の日記に掲載している。

山本氏のエントリから引用。

 一方で、力のある書き手がブログというツールを経てジャーナリズムに近いところまで成長するのでは、ということでウェブ・パブリッシングという手法が期待されているが、これも意外とうまくいっていない感じだ。ま、私が見ている限りでは、という注釈つきだけど。うまくいってる話があれば教えてください。ヲチするんで。

これについて、finalvent氏。

 と、個人的な思いにシフトするのだが、ブログ業界というか、IT業界におけるブログというのはその発想自体が古いだろうなと考えつつある。露骨に言えば、例えば、私がブログなりを自分のジョブベースに移行できるのか? 

この、「私がブログなりを自分のジョブベースに移行できるのか?」という問いが、日本におけるメディアとしてのブログの近未来を決めるうえでひとつの大きなポイントになるとは思う。

ブログが政治言論に大きな影響力を持ち始めているアメリカでは、このへんが成り立ちつつある。元 The New Republic の編集長だったAndrew Sullivanは、最近のTIMEの記事で、自分のブログへのドネーションだけで、サイト維持費と生活費を捻出できているというし、この前拙ブログに書いたように、Talking Points MemoやKosクラスのブログでは10万ドル以上の年収があるという。

どうやってブログを有料化するか、という問題なのだが、これには、小口決済で情報を売り買いするための手順、というテクニカルな問題と、無料が普通のネット上の情報にお金を払う、という文化的な問題があると思う。(3年ほど前に、2ちゃんねるのような掲示板を商業ベースに乗せようと言う西和彦氏の "1ch.tv" という試みがあったが、いろいろあったあげく頓挫した。)

前者についていうと、現在の日本のブログだと、アマゾンのアソシエイトかはてなポイントのやりとり位だろうが、もう少しオプションが拡がるといいのではないかと思う。上に挙げたようなサイトでは、PayPalを使ったドネーションを受け付けている。日本の場合、イーバンクが日本でPayPalのような役割を果たすはずだったと思うが、PayPalがeBayと連携してかなり普及しているのに対し、イーバンクについてはあまり聞かないがどうなっているんだろうか。PayPal のようなシステムで、小口のドネーションが気軽に出来るようになると、だいぶ状況が変わってくるのだが、日本の場合金融関係の規制などで採算が取れるようなものにするのにはまだまだ時間がかかるかもしれない。

また、最近はBlogAdsというブログに特化したネット広告がある。このサイト、大手ブログの有志で経営されているようなのだが、価格表を見てみると、トップクラス(1日当たり10万PV)だと、一週間の広告料が1000ドルを超えている。ざっと下を見てみると、1日1万PVならば100ドル前後、1日1000PVならば10ドル前後となっているようだ。(価格は各ブログが設定できるらしい)。上に言及したアメリカの大手ブログはだいたいBlogAdsに参加している。(Sullivanも最近参加して話題になった。)こちらの方は、日本でも大手ブログが動き出したら意外と早く実現する気がする。

一方、後者の文化的な問題だが、こちらの方が難しいかもしれない。ブログに広告を載せているのにさえ不快感を感じる人も多いことだろう。ただ、ある程度質の高いブログを維持するためには時間がかかるし、それだけの時間を使っていることを正当化しなければいけない。また、アクセス数が増えてくると、サーバーが自前でも借り物でも、経済的負担が増えてくる。それもなんとかなればという気もする。そんなわけで、finalvent氏の、

 まとまらないが、まとめる気もないが、庶民の300万円ライフは意外に知的に充実していくように思うし、そのあたりで、いわば、現状の同人誌の拡張のようなあたりで、あるいは弱小新興宗教の経営みたいに(というのは誤解されるが)、小さい規模で書き手が維持できないだろうか。

という言葉には賛同する。

断っておくと、私は今の仕事を辞めてフルタイムのブログライターになろうなんていうことは全く考えていない。それほどこのブログに書いている内容について自惚れてはいない。私自身、趣味で書いている文章が多くの人に読まれることはうれしいし、時事問題についての意見を公表できる場があるということはありがたいと思っている。また、日本の人に、私の目から見た(大手メディアからは見えない)アメリカ事情を伝えたい、という気持ちもある。というわけで、このブログは当分続けるし、有料にするつもりもない。一方で、今のままアクセス数が増えていくと、転送料の関係でプランをアップグレードしないといけなくなるかもしれないという問題はある。正直、経済的にも時間的にも、趣味にしては少し負担が大きすぎる段階にさしかかりつつある。そんなわけで、この辺の動向には興味があるのである。

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Comments

なぜ隊長だけ「山本氏」なのだろうか。

Posted by: BOSS | Oct 5, 2004 12:07:01 AM

> BOSSさん
少々表現を改めました。「山本氏」と書いているのには他意はないのですが。

Posted by: むなぐるま | Oct 5, 2004 11:47:01 AM

(2006年5月 むなぐるま管理人からの受託により保管)

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