論壇系ブログは日本の言論空間を変える力になれるか?
ブログを書いて商売になるかどうかは成功者待ち(切込隊長BLOG (ブログ))
切込隊長氏が、私がしばらく前に書いたエントリの問題提起に答えてくれているので、簡単ながらお返事しておこうかと思う。
切込氏は、論壇系ブログは日本の文化的土壌には根づきにくく、かえってネット上の情報を加工する二次情報系、あるいは「同好の士が理解を深めるといった手ごろなツール」としてのブログが発展してきている、と指摘しているが、私としては、根付きにくいかどうかはともかく、論壇系ブログのニッチはあるのではないかと思う。私がそう思う背景には、日本のマスコミがどうしようもなくひどいという現状認識がある。私は、Finalventの日記の社説批評のファンなのだが、このサイトを1週間も読むと、日本の主要新聞の中身の空っぽさ加減に誰でも気づくのではないかと思う。また、拉致問題について活動されているnews_from_japanでは、拉致問題がなぜほんの2年前まで主要メディアに無視され続けてきたのかという問題意識から、今のメディアの体質を明らかにする記事を書いている。私の場合、New York Timesのような欧米メディアの日本報道、またそれに追従する日本の大手メディアにはずいぶん長いこと不満があって、それがブログを続ける上でのモチベーションになっている。
これはCBSメモ疑惑について調べているときにどこかで読んで引っかかっている言葉なのだが、ジャーナリズムに資格や特殊な知識がいらないというのは公然の秘密である。極論すれば、誰でも、取材の仕方と多少の文章術を学べば記事は書ける。必要なのは、どこかの大学の学位や専門知識ではなく、経験だけである。今まではジャーナリストというのは情報発信の手段を握っている特権的な立場だったから、ジャーナリストに特権意識が芽生えても仕方なかった。しかし、ネットが出来て、誰もがジャーナリストになれるとなると、その特権意識の裏付けが問われるようになってくる。もし内容のない記事を書けばすぐにネットでツッコミが入る。それで、「王様が裸だった」というのが次第に明らかになってきているのが現在だと思う。10年もすれば、現在のジャーナリズムの寡占的な制度的枠組みは大きく変わっていると思う。いや、そうあってほしいという希望がある。
そんなわけで、論壇系ブログが日本に育って欲しいし、そのニッチはあると信じている私としては、ではどうしたら日本の文化・社会的土壌で論壇系ブロガーが育っていくか、またそのプロセスを加速できるかに興味がある。経済的なインセンティブは、そういう道筋がつけばシリアスな書き手が増えるだろうということで、むしろ二次的な問題である。ただ、どんなに崇高な理想を持っていてもビジネスモデルができないと先細りするという現実はあるので、仕組みを動かし続けるだけの資金回収システムくらいはあったほうがいいかもしれない。まあ、今のところは手弁当ということなのだが、こういう動きを加速する仕組みがあったら、その実験には参加してみたい気がする。たとえば、ココログのNiftyなんかはNifty@Payという課金システムを持っているのだから、ブログと連動するようなツールセットがあったら便利かもしれない。例えば、個々のブログに有料エリアを設けられるようにするとか、(Read more...以降の部分とか、過去ログとか、プレミアムコンテンツなど)簡単にドネーションを受け付けられるようなツールを設けるとか。方法論的にはいろいろ考えたりするのだが、私としては、論壇系・オピニオン系ブログの間のつながりを強めて、社会的影響力を強めることに興味があるのかもしれない。そういう意味では、論壇系ブログのポータルサイトとか、似たような関心系のブロガーによるグループ・ブログ(例えばCommand Postのような)などとかあったら面白いと思う。まあ思いつきに過ぎないのだが。
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Tracked on Feb 13, 2005 10:51:44 PM
Comments
私も論壇blogのニッチが有ると思いますし、ここ2年「諸君!」「正論」が売り上げを
伸ばしているのは逆に言えば既存マスコミに対する不満が一気に爆発している
からでは無いでしょうか。にも関わらず無責任発言、放言をする輩がTVや雑誌を
跋扈する現状。最もマスコミ会合レベルでは流石に危機感を表明している様ですが
いかんせん各社レベルでは相変わらずの脳天気振り。
今のマスコミの現状が続けば論壇系blogが隆盛するのは必然の事でしょう。
レベルが低い者がのさばっていれば「それなら俺が!」って出てくるのは
当たり前な話なので。マスコミに優れた人材が乏しい現状が今の日本の
深刻な問題でありまして。
長期的に見れば切込隊長氏の説の様に多態的に様々なblogが発生して
いくのは間違いないのですが、いかんせんマスコミのレベル低い現状では
日本住民も流石に呑気に身の回りの事ばかり考えてもおられないでしょう。
Posted by: abusan | Oct 15, 2004 7:57:56 PM
日本も変わりつつあるんだろうか。
http://dentotsu.fc2web.com/
http://www.k2.dion.ne.jp/~charge/
http://saaira.hp.infoseek.co.jp/
Posted by: ( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー | Oct 17, 2004 6:48:16 PM
追加
http://f57.aaacafe.ne.jp/~iraisyo/
巨大掲示板2chと論壇系Blogが連携しているのが日本の特色ですね。
Posted by: ( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー | Oct 17, 2004 6:56:49 PM
>abusanさん
大手マスコミはまだまだ危機感が足りないような気がしますね。でも、ネットからでも状況は少しずつ変わっている気がしますが…。
> ( ・∀・)つ〃∩ ヘェーヘェーヘェー さん
リンクのサイト見ました。「サイレントマジョリティを卒業しよう!」という言葉が心に残りました。
Posted by: むなぐるま | Oct 18, 2004 4:52:49 PM
むなぐるまさん、こんにちわ、
勝手にトラックバックだけしておいて失礼いたしました。
今日(10月25日)の切込隊長さんの記事を読ませていただき、「当人の議論の一貫性」うんぬんと書いていらっしゃるのに気づきました。
http://kiri.jblog.org/archives/001093.html
やはり、ブログを書いていらっしゃる方で一貫性のある方こそが多少なりともビジネスにつながっていける方なのだろう、「ブログの論壇」というものがあれば参加する資格のある方なのだろうと感じます。
トラックバックさせていただいた記事を「匿名でも特名でもそれに基づいて想像される人格が信頼となって一定のトポスが構築されていく」とm_um_uさんが要約してくださいましたが、やはりトポスというか、場所というか、書いている人と読んでくださる方との首尾一貫性というか、そういったものがこれから大事になるのではないだろうか、と思っています。
http://blog.nettribe.org/btblog.php?bid=morutan&eid=d059c8815e5f47a179cd0baa22005006&m=e
いま実は「新ネットワーク思考」とか、「ネット信頼通貨」とか、「picsy」とか、mixiのゆくえとか、かなりはまっているのですが、ネットワークの上ならネットワークの上らしい、トポス=場所の形成、そしてそれにともなう報酬のシステムができあがっていったらいいな、そのためには私はなにをしたらいいのかな、と考えています。
また、よいヒントがございましたら、ぜひよろしくお願いいたします。
Posted by: ひでき | Oct 25, 2004 2:58:59 AM
論壇系Blogじゃーないけれど、ジャーナリストが書いている
記者コラム「インターネットで読み解く」というのは知ってますか?
ネットでの動向とジャーナリズムの関係もあちこちで読めますよ
http://dandoweb.com/
128回や129回とか
100回の「ネット・ジャーナリズム確立の時」とか
Posted by: TAKE | Nov 1, 2004 12:58:59 AM