世論調査のメタ分析:ケリー氏圧勝へ?
大統領選直前になってこちらで話題になっているのが、プリンストン大学の分子生物学教授が運営している世論調査のメタ分析サイト。このサイト、現在出ている各州世論調査をすべて計算に入れた上で、選挙人数の期待値を分析している。このサイトの管理人の教授によると、まだ誰に投票するか決めていない人や、初めて投票する人などの予想を計算に入れた上での最終結果の予想は、ケリー氏323人、ブッシュ氏215人となり、ケリー氏が圧勝するという。もちろん、この結果は不確定な要素についての主観的な要素が入っているのでそのまま客観的な結果予想とは言えないが、その分析を読んでみると現状がかなり見えてくる。とにかくこのサイトは一読をおすすめする。
さて、この教授の分析方法、結果を簡単にまとめてみる。まず、分析方法だが、各州ごとに世論調査をもとにしてケリー氏、ブッシュ氏勝利の確率を出す。この時点でほぼ100%どちらかが取ることが間違いない州は計算から除外する。それから、その確率に基づき、選挙人の数の期待値(ある州の勝利確率xその州の選挙人数の合計)を計算する。そのときの確率の計算なのだが、最初に現在ある世論調査(選挙に行く予定にしている有権者)をもとに、「既に意見を決めている人々(1)」について計算する。そのうえで、「まだ意見を決めていない人(2)」を計算に入れて補正し、さらに「初めて投票する人、世論調査にかからない人(3)」のぶんを補正する。
(2)、(3)の人々がどのように投票するか、また(3)の規模がどれくらいかは数字に表れないので、この部分にはどうしても主観が入ってくるが、過去の結果から大まかな予想を立てることはできる。(2)だが、この時点でまだ誰に入れるか決めていない人々は、過去の統計をみると現職よりも新人候補に入れる割合が高いという。この教授は、(2)の層は3:1の割合でケリー氏に投票するという予想から、ケリー氏の数字を1.5%補正している。(これは全く常識的な予想だと私は思う。)そして、(3)だが、この教授はこのファクターによりケリー氏が2.5%有利になると予想している。携帯電話しか持っていない若い層は圧倒的にケリー氏支持だし、また今回の選挙で初めて投票する人は現状に不満を持っているから、ケリー氏に入れるだろうという予想だ。その結果、現在の世論調査の結果に、合計4%ケリー氏に上乗せして計算している。繰り返すが、(2)(3)については正確なデータはないし、当日の天候などにも左右される。
さて、このような手順で出した最終的な選挙人数の予想は、
(1)ケリー氏252、ブッシュ氏286 (ブッシュ氏勝利確率80%)
↓ケリー氏に1.5%補正
(2)ケリー氏280、ブッシュ氏258 (ケリー氏勝利確率71%)
↓ケリー氏に2.5%補正
(3)ケリー氏323、ブッシュ氏215 (ケリー氏勝利確率約100%)
となる。
この結果をどう読むかは一人一人の判断なのだが、まだ決めていない人々、世論調査に含まれない人々が最終的にケリー氏に決める確率が高いというのはごく常識的な判断とすると、ケリー氏が圧倒的に有利とはいえるだろう。逆に、もしこれで接戦となれば、ブッシュ陣営の現場部隊が前日・当日に相当頑張ったといえるだろう。
また、このサイトの分析で有益なのは、まだ接戦の州のうち、民主党有利の州から共和党有利の州を順番に並べたリストである。このサイトによると、現時点で接戦になっているのは6州であり、民主党有利から共和党有利に並べてみると、
(民主党有利)ミネソタ・ハワイ・アイオワ・オハイオ・ウィスコンシン・フロリダ(共和党有利)
となる。(この分析では、ペンシルベニアはケリー氏で堅いと予想。)残りの、大勢の決した州の選挙人を現状で割り振ると、ブッシュ氏が236、ケリー氏224となる(はず)。ブッシュ氏としては、フロリダを勝っただけでは足りず、ウィスコンシンを取る必要がある。投票率がどうなってもこの順序はそう変わらないはずなので、明日の開票速報で、ウィスコンシンがどちらに傾くかが、この選挙の勝敗を決める一つの目安になるとは言えるだろう。
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