町山智浩氏にお返事
町山氏からコメントを頂きました。町山氏は、正確には「中西部」に「文盲で狂信的な福音派のクリスチャン」がいる、とは言っていません。これは私の勇み足でしたので訂正します。私が反応したのは、おもに「2004-10-29 ブッシュが勝つかもしれない理由その3」の、次の部分です。
いや、そもそも、戦争がどうなろうと関係ないのだ。
国民の4割が福音派キリスト教徒のブッシュ支持者であり、この支持基盤は強固で揺ぎ無い。
民主党が票を得ることができるのは残りの6割から共和党支持者を引いた、わずかな数なのだ。
共和党はレーガンを当選させる時に福音派を支持基盤に取り込み、
実質的に彼らに共和党を乗っ取られた(マケインは共和党の宗教支配に反対している)
ブッシュは福音派に改宗して彼らの支持を確固たるものにした。
毎週日曜の朝は教会に通う福音派は、投票日には互いに声をかけあって投票に行く。
その投票動員率は日本の創価学会以上だ。
彼らはブッシュがウソでイラクに攻め込んでアメリカ兵を千人も殺させようと、
金持ち減税と戦費で、史上最高の赤字を作ろうと、
とにかくゲイ同士の結婚に反対し、中絶を非合法化することに賛成である限り、
ブッシュに無条件に投票する。
この福音派、国民の4割はどうにも動かせないのだ。
しかも、福音派は福音派の新聞を読み、福音派専用のニュース・チャンネルしか見ないし、福音派専用のラジオしか聴かない。
また、ユタ州のモルモン、ペンシルヴェニアからミズーリにかけて住むアーミッシュもブッシュを支持している。
また、メル・ギブソンが所属する、原理主義的カソリックも、ブッシュを支持している。
彼らは異教徒を許せないからだ。
モルモンはモルモンのニュースしか見ないし、アーミッシュはテレビを持っていない!
それなのに彼らの投票動員力は強力だ。神の教えを守るため、何が何でも投票に行く。
赤字やイラクの死者のことなど彼らには関係ないのだ。
そういう宗教キチガイどもにアメリカ、いや、世界がコントロールされてしまっているのだから
恐ろしいよ。もちろん彼らはイラク人が10万人死のうと気にしない。
『サウスパ−ク』のトレイとマットは「パッション・オブ・ジュー」でキリスト教原理主義の恐ろしさを訴えていたが、『チーム・アメリカ』で反ブッシュ俳優を皆殺しにし、「若者に投票に行くな」と呼びかけていた。このままだと君たちの大嫌いな宗教馬鹿どもの世の中になるけどいいのか?
この部分を読むと、アメリカ「国民の4割」が「日本の創価学会以上」の投票動員率を持つ、「どうにも動かせない」「宗教キチガイども」と読めますが、違いますか? 町山さんはこういう人達が中西部だとは言っていないのでそこは訂正しますが、この辺りの言葉には「キリスト教価値観がブッシュ勝利の大きな要因になる」という客観的な分析以上の敵意を感じます。町山さんが福音派をあたかも「悪魔の手先」であるかのように見ている、といったのは、そういうことです。
ご指摘を頂いた、今回の選挙における福音派クリスチャンの役割についての記事は私も読みました。キリスト教的価値観や、中西部(ハートランド)の、芸能人や知的エリートへの反発が、今回のブッシュ勝利につながったというご意見には大筋で賛成します。私も、たとえば同性婚のようなイッシューを民主党への敵対心のバネにするようなカール・ローブのやり方には反対です。でも、だからといって、上に引用したような大雑把な把握では現実を見誤ると思います。ブッシュ支持者には宗教的に穏健な人も多いし、有権者がブッシュ氏支持に回ったのは宗教だけではありません。また、ドブ板選挙的な選挙戦術の優劣も分析しなければいけないでしょう。
もうひとつ、上のような大雑把な表現により、二つの立場の感情的な反発が増すことになるとは思いませんか? コメントのなかにあったBBCの調査では、「マイケル・ムーアのような奴に誰に投票するか言われたくない」というのもありましたね。たぶんこれからヨーロッパやアメリカ東海岸の新聞を中心に、「福音派のおかげで勝った選挙」というレッテル貼りをする人々が出てくると思います。私はそのような新聞記事には何か別の動機があるのではと疑っています。また、ブッシュ氏に投票した51%の人達は、こういうのを読んで、「ヨーロッパのメディアやアメリカのリベラル・エリートがまたアメリカを曲解している」と思うのではないでしょうか。そういうのは誤解を深めるだけなのではないか、と思うのですが。また、今回の選挙における「福音派」の影響力をメディアが強調すればするほど、「福音派」の力の幻影というのが大きくなっていって、結果として「福音派」を利するということもあるのではないでしょうか。それは町山さんの望むところではないでしょう。
最後に、アメリカ人がイラク戦争のイラク人の死傷者について何とも思っていない、ということは全くその通りであり、私も強い違和感を覚えるところです。もちろん、ケリー氏支持者の大部分も、アメリカ兵の死者は問題にしてもイラク人(特に一般市民)の死傷者については考えていない人が大部分なわけですが。その点は町山さんに賛成します。
【追記 11/05/04】今回の選挙、ゲイの権利、キリスト教の影響などについて、Andrew Sullivanのブログで意義のあるダイアローグが続いています。彼はタカ派だがゲイでカソリック。ゆえに、現在のアメリカを二分するような思想戦争の中で、言葉で自分の居場所を創ろうとしている数少ない批評家・ブロガーです。私は彼の意見にいつも賛成するわけではないけれど、彼は勇気のある発言者だと思う。ぜひご参考に。それから、サイドバーに Over the Rhine の "Ohio" へのリンクを張りました。ぜひ聴いてみてください。
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» [時事][IT]ネットでの対話。有益も無益も。 from 見えない道場本舗-Josh応援団
*大統領選 米国大統領選の分析をリードした二大ブログの対話。Meもちょこっと参加。 ../../2004/11/post_7.html http ... [Read More]
Tracked on Nov 6, 2004 5:29:24 PM
» むなぐるま氏と町山氏の会話に寄せて from 268 ◆tKFpP5znIw
ブログ
切込隊長さんのブログのこの記事を読んで、むなぐるま氏と町山氏の間で
面白い会話がなされていたので、それを読んでの、私なりの感想
むなぐるま氏のこの記事で、氏は... [Read More]
Tracked on Nov 19, 2004 7:21:24 AM
Comments
早速、修正していただきましてお手数おかけしました。
しかし、具体的にカール・ローブが福音派の徹底動員を狙ったという事実があるのだから、その力の大きさを認めたほうがいいですよ。
福音派の説教を見たことはありますか? テレビでやってますから見てみるといいです。
また、福音派の人と直接話しあってみたことはありますか?
政治だけでなく、自然科学においてすらまったく違うことを信じているので
会話をかみ合わせるのも一苦労ですよ。
私は、コロラドに二年間住んでいて、コロンバイン銃撃事件がちょうどあったのですが、その時に近所の住民のひどさを実感しました。
彼らは、イジメの実態には触れず、犯人たちを悪魔だと決めつけていました。
日常会話だけでなく、テレビやラジオでもそのように報道されていたのです。
また、ハロウィンの時、近所のオバケ屋敷に行ったら、そこはボーンアゲインがやってたオバケ屋敷で、人形を使って、ゲイや中絶をした人が地獄で責め苦にあうパノラマを子供に見せていました。
ハワード・スターンのラジオは住民のボイコットで放送中止に追い込まれただけでなく、その放送をしていた局(オルタナティブ・ロック専門局)が閉鎖に追い込まれ、パンクやグランジが一切流れなくなりました。
その番組は地域で最も聴取率が高い番組だったにもかかわらずです。
大学町にいるだけだとそういうものは見えてきません。
大学町はテキサスですらリベラルですからね。
テレビで福音派の説教は見られますから、見てみるといいです。
あなたは、みんないい人だといいな、という希望を語っているだけです。
民主党ですらショックを受けているキリスト教原理派の力を実際に見たり、会ったり、読んだりすれば考えも変わりますよ。
Posted by: 町山 | Nov 5, 2004 1:27:44 PM
だから「福音派にも穏健な人がいるはずだ」ということが問題なのではありません。
中絶だのゲイだの宗教倫理的な問題は本来、大統領選の争点にしてはいけないのです。政教分離の原則からいけば。
しかし共和党は憲法違反のその宗教倫理性を押し出して、「聖書か否か」という二者択一を国民につきつけました。
国民の大部分は当然キリスト教徒だから、そう突きつけれれば聖書を取るしかない。
それがモラル・マジョリティです。
ですから南部バプティストのクリントンは勝てた。
彼ら自身が福音派だから、その二者択一を争点にしないですんだからです。
東部カソリックのケリーでは無理だったのです。
福音派の力を分断するには、今度の民主党は南部福音派から候補を出すしかありません。
ヒラリーは過激な左翼ですが、夫が力になるかもしれません。
私は自分の希望的な意見を、具体的な事実研究で叩いてから書くことにしています。
Posted by: 町山 | Nov 5, 2004 1:45:44 PM
クリントンが「福音派」かどうか論議になるとややこしいので、「バイブルベルトのバプティストで福音派的」と修正しておきます。
Posted by: 町山 | Nov 5, 2004 1:50:39 PM
はじめまして
福音派とは、現実には、キリスト教徒中のどのような方を指すのでしょうか?
1 カソリック
2 プロテスタント
3 バプティスト
4 その他
1は、論外だとして、2のプロテスタントが、該当するのか、或いは3か、と考えてしまいます。
ウィキペディアを見ると、2の一部と、3、或いは(異端扱いされているはずですが)エホバの証人あたりが、それに近いかと、思うのですが、そうすると、国民の4割という記述が、そう、とは少し、信じがたいのです。
#もっとも、これは、感覚的なものであり、実際に、そうであるなら、教えてくだされば、ありがたいです。
いきなりで、不躾な質問になっておりますが、良ければ、お教えください。
Posted by: いった | Nov 5, 2004 1:57:15 PM
> 町山さん
丁寧なコメントを頂いて恐縮です。福音派についての具体的なエピソードは、日本にいる人達にも実感を持って伝わるわかりやすい例だと思います。そういう人達は確かにいるでしょうね。
対話の可能性については、私は確かに楽天的に見えるかもしれませんが、民主党としても、南部で勝てなければ政権など夢のまた夢でしょう。その意味で、このコメント欄で町山さんが書かれた内容については反論はありません。私が批判していたのは戯画化した「福音派」像でしたので。
同性婚、中絶などの問題についてですが、アメリカ人の大部分は中間的なスタンスだと思います。同性婚ならパートナーとして (civil union) 法的保護はするが「結婚」とは呼ばないとか、中絶なら、法的には後期の中絶は禁止するとか。それを政治的に利用したのが共和党だったということでしょう。民主党は、これらの問題が投票に影響するという意識がなかったのです。これは選挙戦術のミスと言うべきでしょう。
クリントン元大統領は、任期中に "Defense of Marriage Act" を議会で通しましたし、この選挙中も、ケリー氏に同性婚禁止の住民投票に賛成するようアドバイスしたそうです。この辺の感覚は政治家としてさすがと思わせます。
http://msnbc.msn.com/id/6415858/site/newsweek/
建設的なコメントに感謝します。また、論点が深まったので良かったのではないかと思います。また何か気がついたら書かせて頂きますので。
Posted by: むなぐるま | Nov 5, 2004 2:11:46 PM
始めまして。kagamiと申します。毎回、楽しく読ませて頂いています。
今回の記事がとても興味深かったので、リンクを張らせて頂きました。
http://www4.ocn.ne.jp/~temp/index.html
トラックバックが打てないので、コメント欄でのご連絡になり、
申し訳ありません。
それでは、これからも、ご執筆、期待しております。
Posted by: kagami | Nov 5, 2004 2:42:00 PM
こちらこそご面倒おかけしました。
ケリーはゲイ結婚に関しては「各州の住民投票に委ねるべき問題だ」と、
大統領が立ち入るべきではないという憲法的に正しい答えをしただけなのに、
共和党側はあたかもケリーがゲイ結婚に賛成であるかのように喧伝しました。
やはり、かような不誠実な戦略によって選ばれたブッシュは容認できません。
Posted by: 町山 | Nov 5, 2004 4:50:41 PM
>
中絶・ゲイ(結婚)とは宗教的問題だけでしょうか?保守思想の観点から見ますと、中絶をする必要のない、個人責任が取れる世界を目指す必要があるのではと思います。確かに、中絶が行われても仕方がない時もありますが、なぜ政府がお金をだして、もしくは、中絶のみが選択肢であるという説明が行わなければならないのでしょうか?政治的議論の余地があるのでは?
同姓結婚問題も、税制、保険、医療など、”結婚”の前提には”子供”があります。子供ができない結婚をなぜ政府がサポートする体制をとらなければならないのか?これも政治的議論の余地があるのでは?
宗教問題でもあるから、政治問題にしてはいけないってのはおかしいと感じます。
また現時点では政治的問題として扱えば”負ける”と思っているリベラル派が司法を使って押し付けを計ろうつしている事がもっと大きな問題となり、政治色を強めていると思います。
MikeRossTky
PS - 何時もこのブログをROMしていますが、初めて書かせてもらいました。今後ともよろしく!
Posted by: MikeRoss | Nov 5, 2004 6:15:24 PM
> いった さん
私の理解では、アメリカはプロテスタントが4分の3、カソリック、イスラム、仏教、無神論などを合計して4分の1。で、プロテスタントのうち約3分の1(全体の25%)がいわゆる福音派という理解です。とはいえ、福音派にもいろいろな人がいますから、すべてが政治的に熱烈なブッシュ支持ではないと考えます。このあたりの定量的な分析については、別の記事があれば読んでみたいと思っています。
> kagami さん
リンクはご自由にどうぞ。kagami さんもブログを始められては如何?
> MikeRossさん
コメントありがとうございます。日本人には、中絶が政治的に問題になるというのは感覚としてわかりにくいんですよね。もちろん、しない方がいいと思っている人が大部分だとは思いますが。また、同性婚の問題は難しい。私自身、どう考えていいかわからないです。しかし、どちらの側が問題を広げているか、といえば、リベラルな裁判官や行政の長が住民の意思を問う手続きをふまずに少数に進めたためこれだけの反発があった、という側面もあると思います。
Posted by: むなぐるま | Nov 5, 2004 6:32:43 PM
>むなぐるまさん
ありがとうございました。プロテスタントの1/3程度と言うことは、
かなりの影響力が伺えますね。
たまたま、アメリカでバプティストのミサ(日曜学校?)に、参加したり、
信者の話を聞いたことがあり、それまで抱いていたイメージとの
大きなギャップに興味を持ったこともあります。
いくつか、思い出があるのですが、創世記第一章第一節を信じるか
どうかについての信者と信者以外の議論を聞いていたこと等も
思い出しました。
Posted by: いった | Nov 6, 2004 7:02:20 AM
むなぐるまさん、現場中継ともいえるエントリをずっと興味深く読んでいます。町山さんとのやりとりも、私の関心事に近く、コメントさせてもらいます。福音派をコアとして、その周辺の信仰的には福音派ほどはなくとも、善悪、黒白をはっきりわけ、自分らの価値観を至上とするブッシュ支持軍団を疑似宗教ととらえて、今回の大統領選の結果を考察してみました。
「疑似宗教が勝った米大統領選」
http://aquarian.cocolog-nifty.com/masaqua/2004/11/post_1.html#more
をごらんいただけたらと思います。
多様なアメリカ社会を、宗教面だけから速断するのは単純化しすぎでしょうが、先進国の中で、アメリカほど、異様に宗教が社会的要因として大きい国はないでしょう。そしてブッシュ陣営は、そのことを巧みに利用しているし、別の面からいえば、宗教活動家がその宣伝術とネットワークをもって参戦している、というより、共和党を乗っ取りつつある側面も無視できません。
しばらくoffということですが、選挙終了後の両党の動向も注目されます。ひと休みのあと続いてのご報告を楽しみにしています。
Posted by: アクエリアン | Nov 6, 2004 8:14:53 AM
私は異教徒、不信心の徒、反キリストの僕として同性結婚も中絶もじゃんじゃん自由に行いなさい、という立場ではありますが、中絶というのは「”人権”をいつの段階から認めるか」という政治の議論である(本音は信仰による意見であっても、そう主張し得る)と考えます。
人権は普遍的で先天的・・・というフリをしなければならないものですが、人権の重要要素である選挙権も「18歳からか20歳か」をごく人為的に取り決める。日本では19歳と364日でも選挙権はなく、どんな人でも20歳になれば得られる。
「受精時からヒトは人であり、人権が発生している」というトリキメを主張すること自体はは「妊娠●カ月からは中絶不可。それ以前は可能」という話と同一の地平にあるはずです。
というか、これらを争点にしてはいけない、州に任せるのが正しいということになったら、今後リベラル大統領が強力に「中絶は権利であり、我々はそれを強力に推進する」「ゲイ結婚は、選択の自由の立場から望ましいことだ」とか主張し、連邦レベルで仕組みを整える可能性を自ら閉ざしてしまうことになるのでは?
Posted by: Gryphon | Nov 6, 2004 5:15:03 PM
最後にむなぐるまさんの問題を指摘させてもらうと、
あなたは私の選挙前予想「ブッシュ再選の大きな要因はキリスト教福音派である」「中西部は東部や西海岸に反発する」という記事を批判しましたが、
わたしがいくつかの実証的データを出しているのに対して、
あなたは大学町のリベラルな環境の中でのわずかな個人的感覚だけで、「こういう偏見はよくない」と反論するだけで、現実の福音派や中西部の田舎の人々と接した経験も、具体的な調査データも提出しませんでした。
それは研究者としては、実証性に乏しく感情的な反発にすぎず、
批判される側からすると非常に迷惑で不快でした。
しかも、その後、実際に選挙の後の調査結果で私の説を裏付けるデータが出て、それを読んだ後でも、あなたは「そのようなことでアメリカが分裂するのはよくない」という御自分の希望によって、調査データが示す事実を素直に受け入れられないようです。
それは普通の人なら別にいいですが、研究者としては大いに問題があると思います。
私もあなたと同じくこのような分裂はよくないと思ってはいますが、それは希望であって、データが示す現実が分裂を示している以上、「そんなに分裂しているはずはない」とデータを拒否しても何の意味もありません。
まずは調査結果を素直に受け入れてから、その理由や解決法などを考えるのが研究者のあるべき姿だと思います。
Posted by: 町山 | Nov 7, 2004 1:04:19 AM
宗教集団の政治的「実効性」についての判断は、きわめて微妙で難しいモノを含んでいるとは思います。日本の新聞にも「宗教は現実の政治にはほとんど影響を与えないが、投票行動には影響を与える」というアメリカの専門家の意見が紹介されていたりしました。
今年の『キリスト新聞』3月22日号には「米合同メソジスト教会信者であるブッシュ大統領に対し、同教会監督シャロン・A・B・クリストファーは、イラクへの攻撃を断念するよう求め祈る書簡を送った」とありますね。
ちなみに日本のプロテスタントにもリベラル派と福音派の区別はあります。
Posted by: rahiem | Nov 7, 2004 2:46:22 AM
なるほど。大統領選を左右したのは宗教問題だったのですね。Gryphonさんに紹介されて拝見したのですが、いや非常に勉強になりました。ありがとう御座います>むなぐるまさん、町山さん
Posted by: kudoking | Nov 7, 2004 10:39:04 AM
むなぐるま@ブログ休暇中です。
> 町山さん、みなさん
私が町山さんの『アメリカ「国民の4割」の、「日本の創価学会以上」の投票動員率を持つ、「どうにも動かせない」「宗教キチガイども」』が選挙を決めたというお説(ちなみに、町山さんはこの説をまだ撤回しておられないわけですが)に反論していたのは、この説が選挙が終わるまでメディアで全く表面化しなかったからで、こういう説を持ち出すこと自体、負けたリベラル側の言い訳に聞こえたからです。私は、出口調査を鵜呑みにするのではなく、もうすこし詳細な分析を待ってみたいと思っていました。私は社会学者でも政治学者でもないので生のデータは持っていませんが、選挙関連のニュースは日本語で発信しているブロガーの誰よりも読んでいたという自信があります。
案の定、「『福音派』が選挙を決めた」という説を反証するデータを示した記事やブログ・エントリが、この週末いくつか出ました。これらの記事からいくつか注目すべきデータをピックアップしてみましょう。
http://www.beliefnet.com/story/155/story_15598_1.html
○宗教別のブッシュ氏支持率を4年前の選挙と比べてみますと
福音派:70%→78% も大きかったが、これくらいの増加だったら今回急増した若者層の票でだいたい打ち消されるだろう。面白いのは、それに加えて、
カソリック: 46%→52%
無神論者:32%→38%
というデータもある。とくに、オハイオ州では、もしケリー氏がゴア氏と同じだけのカソリック票を得ていたら、オハイオ州を取っていたはずである。
http://slate.com/Default.aspx?id=2109275&
http://instapundit.com/archives/019070.php
○同性婚の住民投票が選挙戦を左右した、という説について、前回の選挙のデータと比較してみると、「道徳、価値観」をもとに投票した有権者数はほとんど動いていない。むしろ、「テロへの対応」について大きな差がついた。
http://www.nytimes.com/2004/11/06/opinion/06brooks.html
○世論調査会社のピュー・リサーチ・センターによると、今回、福音派の有権者の割合が大きく増加したという証拠はない。また、今回投票した人々の中、あらゆる種類の中絶に反対する人々の割合は16%、いっぽう、同性婚を認める人(25%)および同性婚は反対だが同性のパートナーを法的認知することに賛成する人(35%)を加えると、同性カップルに普通の夫婦と同じ法的保護を与えることに賛成する人は6割と、社会政策については、真ん中の「穏健派」がかなり大きいことを示した。
州別に見ると、同性婚の可否が俎上に乗った11州では、ブッシュ支持票がさほど伸びなかった。一方、ブッシュ氏は50州のうち45州で支持を伸ばした。そのなかには、ニューヨーク、マサチューセッツ、コネチカットなど北東部の州も含まれる。
結論:福音派がアメリカ政治に一定の影響力を持っていることは疑いがない一方、カール・ローブによる福音派の動員がブッシュ氏勝利の要因だったという、選挙直後の観測の根拠は大きく揺らいでいる。いっぽう、ブッシュ氏は、福音派の支持はキープしつつ、他の有権者にも幅広くアピールしたことが明らかになった。また、社会政策に関する出口調査を読むと、有権者の大部分は中絶や同性婚などについて穏健な見方をしている。
どちらにしても、町山氏のアメリカ人の4割の宗教キチガイがブッシュ氏再選を決めたという説はまったくの間違いでなければ、悪質な印象操作です。
また、私がアメリカの現実を知らないという印象批判ですが、悪いですが町山さんより私の方がアメリカ在住歴はずっと長いと思います。(私は'91年移住。)去年一年住んだ中西部の街は、大学町のイメージとはほど遠くかなり保守的な街でした。また、敬虔なクリスチャンやユダヤ人などとの個人的なつきあいも多くありました。ただ、そういう個人的な経験は論の説得力とは関係がないから、とくに言及しなかっただけです。わたしは「どこに住んでいたからアメリカについてもっと知っている」という種類のゲームはやらないだけです。そんなことを言ったら、オークランド在住の町山さんがアメリカ在住の日本人で最もバイアスがかかっているということになりますよ。
以上です。繰り返しますがブログ休暇中ですので、すぐにはお返事できないかもしれませんがご了承下さい。
Posted by: むなぐるま | Nov 7, 2004 9:28:05 PM
前のコメントでリンクしたデーヴィッド・ブルックスのコラムの結びの部分を引用しておきますね。My points, entirely.
In the first place, there is an immense diversity of opinion within regions, towns and families. Second, the values divide is a complex layering of conflicting views about faith, leadership, individualism, American exceptionalism, suburbia, Wal-Mart, decorum, economic opportunity, natural law, manliness, bourgeois virtues and a zillion other issues.
But the same insularity that caused many liberals to lose touch with the rest of the country now causes them to simplify, misunderstand and condescend to the people who voted for Bush. If you want to understand why Democrats keep losing elections, just listen to some coastal and university town liberals talk about how conformist and intolerant people in Red America are. It makes you wonder: why is it that people who are completely closed-minded talk endlessly about how open-minded they are?
What we are seeing is a diverse but stable Republican coalition gradually eclipsing a diverse and stable Democratic coalition. Social issues are important, but they don't come close to telling the whole story. Some of the liberal reaction reminds me of a phrase I came across recently: The rage of the drowning man.
Posted by: むなぐるま | Nov 7, 2004 9:52:48 PM
はじめまして。
今まで興味深く読ませて頂いていただけに、休止の報に触れとても残念に思っています。
またの復帰をお待ちしております。
町山氏の反論については、おそらく出口調査の結果解釈の方向性によるものだとは思うのですが、"blue states" でもブッシュ氏得票率が上昇していること、同性結婚禁止法を投票にかけた州において他の州に比べて有意な得票率の上昇が見られないことから、ちょっと苦しい反論と思いました。 また、住んでいた近所でたまたまグロテスクなお化け屋敷を見たからといって、それをアメリカの宗教的保守層の特性かのごとく敷衍しようするような話も、人文系研究者の「事例研究」とはとても思えず、失笑を禁じ得ませんでした。
Posted by: noa | Nov 8, 2004 3:10:30 AM
私が私の個人的経験を書いたのは、むなぐるまさんが先に御自分の個人的経験を以下のように書いたので、それに対応させただけです。
「この感覚、じつは大学にいるとよくわからない。大学の場合、教員も院生も圧倒的にリベラルな人が多い」
そういう環境だから、事前予測が外れたとご自分でも感じているように読めます。
私は保守的なコロラドに3年以上いましたので、そうでない例を挙げたのです。
実際に接することはデータ収集以上に事例研究の基本でしょう。
また、私は上にも記述したように「福音派」だけが要因とは書いてません。
複合的に二つの要素を挙げています。もう一度書くと
「基礎票としての福音派」と「ハートランドの反発もしくは草の根保守」です。
そして、前者は基礎で、接戦州で勝敗を決する要因は後者だとしています。
ところがむなぐるまさんからはまず最初にこの二者を混同していたので間違いを指摘しましたが、上の記述を見るとまだ一つに混同しているようです。
それに「福音派で基礎を固めて中西部の草の根保守で勝負を決める」というこの二段戦法は私が勝手に言ってるわけではなくて、共和党の選挙対策の顧問たちがテレビや新聞でも大っぴらに言っていたことです。
また、むなぐるまさんが上げられたデータが示すのは「福音派以外にも要因がある」という当たり前の事実だけで、依然として福音派が最も重要な要因だった事実も、ブルーカラーの草の根保守主義も否定していません。
経済や戦争以上に倫理を基準とした投票者が多かった、などモラル・マジョリティ動員を示すデータのほうがまだ多いのも事実です。
実はむなぐるまさんが最も言いたいのは「分裂を強調するステレオタイプで福音派を見るな」ということでしょう?
しかし、実はゲイや中絶という問題を突きつけて国民をモラル・マジョリティとそうでないものに二分化するという戦術をやっているのは共和党です。
そちらのほうが問題ではないですか?
たとえばゲイや中絶に関しては微妙な問題にもかかわらず「賛成か反対か」という白黒分けた形でつきつけてリベラルをあぶりだしてモラルマジョリティの支持を失わせようという戦法です。
ですから「こういう人もいる」「はっきりとそういう風に類型化できない」というむなぐるまさんの批判は、私にではなくむしろそれを戦術にしている共和党批判のために使われるべきでしょう。
カール・ローブは議会でゲイ結婚を禁止する是非を問う決議を行うつもりです。
4分の3獲得しないと可決しないので、これは最初から無理な法案をわざと議会にかけて、それに反対する議員をモラルマジョリティに反するものとしてあぶりだすのが目的です。
彼らは実際には分裂してなかったアメリカを、レーガン時代から長い間かけて、二極分化させることで、モラルマジョリティの独占抱え込みを達成したのです。
それは実は貧富の差というもっと重要な問題で二極分化している事態を隠蔽する作戦でもあると思います。
私が批判しているのはその現状であって、その戦略に安易に取り込まれてしまった福音派の人々です。
むなぐるまさんは私が書いた「福音派による分裂」ということを一生懸命否定しようとしていますが、それよりも、その分裂を引き起こそうとし、それを大っぴらに拡大している者たちに目を向けるほうが、意義があるのではないでしょうか?
ご理解いただけますと幸いです。
(あと、上のnoaとかいう方の書き込みには、他人の尻馬に乗っかって自分を利口に見せようとする卑小で人間性が如実に表れていて、真に失笑を禁じえませんでしたざんす)。
Posted by: 町山 | Nov 8, 2004 12:11:41 PM
分裂に関しては、むなぐるまさんはそれを強調する民主党やリベラルを批判していますが、彼らはむしろ「ここまで分裂されていたとは思ってもいなかった」とショックを受けているだけで、やはり価値観の二極分化でモラルマジョリティを抱え込むという共和党の作戦のほうが批判されるべきですね。
たとえば民主党は事前調査で「ゲイ結婚と中絶を全面禁止しようと思ってるのはコアな保守だけだ」と重要視していなかったのでゲイについては各州に任せるという賛成でも反対でもない態度を取っていたし、中絶に関しては「少なくともレイプの場合だけは合法だろう」という現状維持の常識的態度を取っていたのですが、カール・ローブやFOXニューズはその中間的態度を歪めて表現して「ケリーはBaby Killker(子供殺し)」とまで誇張したCMやキャンペーンを打っていました。
それによって「中絶は部分的には禁止すべき」「ゲイ結婚はなんとなく不安」と思っている中間層をブッシュ側に引き寄せました。
「中絶全面禁止の人は多くない」というデータをむなぐるまさんは上げていますが、そんな過激派はもともと絶対数が限られているのは当然です。
その過激派自体を共和党があてにしたのではありません。
共和党が白か黒かと価値観を極端に二極分化して中間的なケリーを、あらゆる中絶に全面賛成の過激派フェミニストのように見せることで、中間層の支持を失わせたのです。
もちろん、その二極分化はテロと戦うか戦わないかという二極分化にも使われ、「テロとは戦うがイラク戦争には反対」という中間派であるケリーを、「テロ戦争に反対」というイメージに誇張するという作戦にもなりました。
むなぐるまさんは「アメリカは分裂している」と書いた私に遺憾なのはわかりますが、その批判の矛先は、分裂を嘆いている民主党や私よりも、そのような二極分化政策を戦略的に行っている共和党に向けられるべきだと思うので、私は遺憾だったのです。
Posted by: 町山 | Nov 8, 2004 1:34:25 PM
> 町山さん
先程長いお返事を書いたのですが、思うところあって消しました。
どっちが正しかったかとか、こだわっても仕方がないと思ったからです。まあ、休暇中ということもありまして。
それより、イラクではファルージャ総攻撃が始まり、上院では早くも共和党・穏健派のスペクター氏の人事を巡って駆け引きが始まっています。
民主党は、今回の敗因を分析して、もう一度勝てる政党になって欲しいと思います。その方がアメリカの未来のためになるでしょう。
Posted by: むなぐるま | Nov 8, 2004 10:02:17 PM
今日のWashington Post と New York Times には、「モラル・価値観」が選挙を決めたという説を論破するコラムがいくつも出ていますね。とくに、E. J. Dionne のコラム
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A35437-2004Nov8.html
では、次のように書いています。
Consider these findings from the network exit polls: About 38 percent of those who thought abortion should be legal in most cases went to Bush. Bush got 22 percent from voters who favored gay marriage and 52 percent among those who favor civil unions. Bush even managed 16 percent among voters who thought the president paid more attention to the interests of large corporations than to those of "ordinary Americans." A third of the voters who favored a government more active in solving problems went to Bush.
True, 22 percent of the voters said that "moral values" were decisive in their choices. But 71 percent picked some other issue. All this means that Bush won not because there is a right-wing majority in the United States but because the president persuaded just enough of the nonconservative majority to go his way. Even with their increased numbers, conservatives still constitute only 34 percent of the electorate. The largest share of the American electorate (45 percent) calls itself moderate. The moderates went 54 to 45 percent for Kerry, good but not enough. And 21 percent of this year's voters -- bless them -- called themselves liberal.
さらに、このコラムは、今回コロラド州で勝った民主党の上院議員候補の例を挙げながら(大統領選のほうは共和党)、ケリー氏が勝てなかったのは、この州の田舎の住人のような穏健派を取り込めなかったからだ、と指摘しています。
他にも、こんなコラムもあります。どれも非常に興味深い。
http://www.nytimes.com/2004/11/09/opinion/09brooks.html
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A35440-2004Nov8.html
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/articles/A35436-2004Nov8.html
http://www.reason.com/hod/jh110804.shtml
http://www.nytimes.com/2004/11/09/politics/campaign/09kerry.html
Posted by: むなぐるま | Nov 9, 2004 12:34:12 PM
何だかこの件は皆さんもまだまだ興味があるようですので、私の立場を説明する意味も込めて、昨日書いた町山さんへの反論を推敲し再掲することにしました。
===
> 町山さん
議論におつきあいいただいて恐縮です。
私がこのエントリを書いている動機とか、アメリカ社会を知るためのアプローチとか、論点が少しずれてきているように思います。
私自身、アメリカの福音派を擁護しているように誤解されても困るのですが、ま、宗教の信者というのはスケープゴートにしやすいので、その手の議論の落とし穴を指摘したいという動機はあります。
基礎票としての福音派は堅いという点については町山さんに同意します。しかし、町山さんが言われるようにアメリカ国民の「4割」だとは思いません。もし、《ブッシュ氏支持の基礎票》を4割固めたのが共和党の選挙戦術ならば、それは、共和党の選挙戦術の勝利ですから、ローブ氏の腕を認めて、民主党の戦術の拙さを責めればいいことです。4割の福音派が頭が固いから、ではありません。町山さんの近所の人の事例がありましたが、それをアメリカ国民4割に一般化はできないでしょう。
町山さんの議論は、ブッシュ氏支持を最初から決めていた福音派が4割(か、ケリー氏の勝利が見込めないほど高い率)いたという統計がなければ成り立ちません。
ブッシュ氏支持層の基礎票が4割、というのなら現実的ですが、それこそ、多くのイッシューの総合として基礎票ができているのであって、それを「狂信的」な人々と呼ぶことはできません。アクエリアンさんの、「疑似宗教」という議論なら成り立つかもしれませんが、私は、データを見る限り、4割がガチガチの共和党票とは考えにくいのです。むしろ、それは民主党がその4割に届くメッセージ、選挙戦術を持ち得ていない現実を隠蔽するための言説ではないのでしょうか。
繰り返しになりますが、この選挙での「福音派」の役割を過大評価する人には、何か別の動機があるような気がします。
町山さんの議論の、「福音派」を軽蔑し、見下す態度は、アメリカやヨーロッパのメディアが、さまざまに絡み合う支持層の中から「福音派」をシングルアウトしてブッシュ支持者を狂信者扱いする態度に似ています。その姿勢は、「われわれが正しいのに何で選挙に負けたの?」という態度の裏返しですね。しかし、そもそも中西部の浮動票の多くはそんな態度に反発したんではないですか?
この選挙中、UKのGuardian紙が、"Operation Clark County"と言う企画を組みました。(興味のある方はググってみて下さい。)オハイオ州のクラーク郡の住民への手紙を広く募集し、住民にEメールや郵便で送る、という企画で、多くの手紙が集まり企画としては大成功でしたが、地元では「われわれが独立戦争を戦ったのはこういう干渉と戦うためだ!」という意見が出たりして、結局この郡は、前回ゴア氏優勢だった郡で唯一、ブッシュ氏がリードしたそうです。
もう少し丁寧に私の立場を書きます。町山さんは日本語で書いているわけで、アメリカの有権者にアピールしているわけではないので、町山さんの言葉がアメリカの分裂化に寄与することはないでしょう。そこは私の表現が正確ではなかったです。しかし、町山さんの発言は、ブッシュ支持者を見下して、その態度のせいでいよいよ浮動層から反感を買っているアメリカの民主党支持者、リベラル、大手メディアの言葉とよく似ています。もし私が町山さんの言われているお説をアメリカ人から(英語で)聴いたら、「選挙に勝ちたかったら、まずその姿勢から改めなくっちゃ。それより、なぜ選挙に負けたのか、敗因を現実に基づいて(まさに"reality-based")分析したらどうなの?」と言うでしょう。
いっぽう、町山さんの日本語での発言は、キリスト教が基盤にあるアメリカという国に違和感を持っている日本の一般の人々には受け入れられやすいでしょうね。それはまた別の問題ですが。ともあれ、数字としては、町山さんが言われるほど(4割の固定票)福音派の影響は強くなかったのではという私の疑問に変わりはありません。
Posted by: むなぐるま | Nov 9, 2004 5:45:15 PM
ブッシュを指示したアメリカ人には
ケリーが良い事言う外国人に見えたのでは。
すみません、適当で。
Posted by: へルシア | Nov 9, 2004 10:29:01 PM
>町山さん、むなぐるまさん
アメリカ在住6年目。
町山さんも言及された「テキサスなのにリベラルな学生街」に住んでいるものです。
二人の議論、興味深く読ませてもらってます。
私の意見は町山さんに近いものです。
アメリカに実際住んで経験したアメリカの根底に流れる保守、福音派の考えには本当に苛立ちを覚えます。
特にゲイの結婚、中絶、公立学校で進化論を教えるか否かの議論に宗教を持ち出す福音派の存在には憤りを感じえません。
福音派はリベラルと違い、積極的に「無関心」な人間の権利を奪う活動をしている、そのために、もともと政治に無関心だった私までもが不快感を覚えるのです。
「無関心」な人間が「その人がしたければすればいい」ぐらいの気持ちで生活しているところに福音派が入ってきて「これは神が禁じているのだから」と、いままで当然と思えてた権利を奪おうとする。
例えば「結婚していない人間はセックスをしてはいけない」という宗教的信念をもつのは自由ですが、それを盾に「避妊ピルを未婚の女性には与えない」ということがキリスト教系の病院でまかり通ってしまう。
「父親にレイプされて妊娠してしまうかもしれない。エマージェンシーピルを今飲めば妊娠率を下げることができる」、といった緊急時においてでさえです。
これは人権を無視した宗教観の押し付けです
今までは無関心で黙っていた人間が福音派の動きに嫌悪感を示すようになったのは、共和党が明かに政治的目的で、福音派を利用するようになったからでしょう。
それでも殆どの無関心な人間は投票に行かなかったんでしょうね。
私の周りにも「どうせここはブッシュが勝つんだし」と投票に行かなかった人間がいますから。
選挙戦関係なしに、私の思いを簡単にかかせてもらいました。
PS これだけ中絶に反対の福音派に支持される共和党が死刑に賛成なのはなんなんでしょうね?矛盾してると思いません?
Posted by: nattie | Nov 11, 2004 4:19:52 PM
はじめまして。最近ブログをはじめた、
268 ◆tKFpP5znIwと申します。
このエントリーについて、コメントを寄せさせて
頂こうとおもったのですが、長文になるため
幣ブログにてエントリーを書かせてもらい、
こちらに、トラックバックを打たせてもらいました。
トラックバック、通っていますでしょうか?
さて、町山氏の 「国民四割が福音派」という数字
ですが、こんな数字が手元にありますので、
この数字だけ、コメントにて書かせて頂きます。
表1-6 宗教主要なキリスト教教会 (単位:人) (2002年)
宗派名教徒数
ローマカトリック教会63,683,030
南部バプテスト教会連盟15,960,308
統一メソジスト教会8,340,954
キリスト神の教会5,499,875
末日聖徒イエスキリスト教会5,208,827
アメリカ福音ルター派教会5,125,919
全米バプテスト教会連盟3,500,000
長老派教会(米国)3,485,332
アッセンブリー・オブ・ゴッド教団2,577,560
ルター派教会-ミズーリ長老会 (LCMS)2,554,088
全国進歩バプテスト教会連盟2,500,000
アフリカンメソジスト監督教会2,500,000
全米伝道バプテスト教会連盟2,500,000
監督教会2,311,398
出典
“Yearbook of American and Canadian Churches (米国/カナダ教会年鑑) 2002.”
長くなり、恐縮です。
もし、トラックバックが通ってなかったらお伝え下さい。
どうもこのトラックバックという仕掛けがよくわからなくて、苦慮しておりましてw
Posted by: 268 ◆tKFpP5znIw (転載:むなぐるま) | Nov 19, 2004 12:47:59 AM
トラックバック、貼り直しました。
お手数おかけいたしました。
Posted by: 268 ◆tKFpP5znIw | Nov 19, 2004 7:49:41 AM
横から失礼します。
町村さんとむなぐるまさんの討論を楽しく拝見させていただいています。その論争を見た雑感を少し書かせてください。
町山さんの回答は色々な方向に流れていっていますが、まず第一に町村さんが示すべき点は、次の一点だけではないでしょうか。
つまり、(ただの福音派でなく)強烈な福音派が国民の4割いることをデータ示せるのかということです。
「強烈な」
というのは抽象的なので、町村さん自身の言葉を使って表現すると、
「彼らはブッシュがウソでイラクに攻め込んでアメリカ兵を千人も殺させようと、金持ち減税と戦費で、史上最高の赤字を作ろうと、 とにかくゲイ同士の結婚に反対し、中絶を非合法化することに賛成である限り、ブッシュに無条件に投票する」
という意味です。
町村さんが、この点をもしデータで示せるのであれば、町村さんの論はかなり説得力をもってくるように感じますが、どうなのでしょう、そのようなデータはあるのでしょうか。
Posted by: dsge | Nov 21, 2004 11:15:35 PM
今更、という感じではありますが、むなぐるまさんの過去の記事を全て読ませていただきました。大変勉強になりました。これからも何度か読み返すときがあるかと思います。
特に、この町山さんとの議論はためになりました。私は、幸運にも、米国のジャーナリストや民主党・共和党の選挙関係者の話を直接聞ける立場にあり、そのまま彼らの分析を受け売りするところがありますので、お二人の実証に重きをおく姿勢には、本当に頭が下がります(ちなみに、宗教右派の役割を過大視するべきでない点については、民主党関係者も多く述べていました)。自分も大いに見習いたい、と心から思います。米国の分断については、私ももっと勉強する必要があるなあ、と思いました。
これからも参照させて頂きます。
取り急ぎお礼まで。(このようなお礼をコメントとして書くことが適切なのか分かりませんが、一言書かせていただきます。お邪魔であれば削除してください。)
Posted by: Junya | Dec 23, 2004 6:53:25 PM
> Junyaさん
ありがとうございます。私自身、単なる一ブロガーでありまして、ジャーナリズムの訓練を受けたわけでもなく思うところを書いているだけなのですが、それでも、最低限のルールは守って書いていきたいとは思っています。ブログが一般の信用を得るためにはそうしてやっていくしかないですよね。これからも宜しくお願いします。
Posted by: むなぐるま | Dec 24, 2004 2:07:27 PM