海外から見る「日本の保守派」の風景
竹島問題、また歴史教科書問題などをめぐって、保守系のブログが盛り上がっているのだが、今回は、日本の保守派には日本の外にはあまり味方がいない、という話をあえてしてみたい。
NHK・朝日問題の発端となったNHKの番組が放送されたとき、放送が政治的圧力を受けたのではないか、という疑惑はかなり早い時点からあった。それで、アメリカの日本研究の研究者の間で、そのような不当な圧力に抗議しましょう、ということで、署名運動が起こったことがあった。私のところにも回ってきたが、署名はしなかった。
その時の声明と署名はこちら。この数ヶ月のNHK・朝日問題をめぐる論争を受けて改めて見ると、釣りに引っかかった人達のリスト、という風情もあるが、ここに署名をしている人達を見ると、若手・ベテランを問わず、有力な研究者が名前を連ねている。この人達は、事実をチェックしたのかなあ、という疑問とは別に、「人民法廷」の意味とか、放送の編集における政治的圧力の意味とか考えて署名したのかなあ、と思うのだが、逆に言えば、このような文書に署名する大学教授・院生がこれだけいるということの意味は考えた方がいいと思う。
もう一つ、身近な体験から。
ある日本の近代史関係のイベントで、「従軍慰安婦」をめぐる映画を見たことがあった。韓国系アメリカ人制作のこの映画、「ドキュメンタリー」ではあるが、演技過剰気味の再現映像を多く交えていて、とても事実に基づいた公正なドキュメンタリーとはいえない代物だったのだが、これに、「つくる会」の、藤岡信勝教授と西尾幹二教授が登場する。発言自体は、日本でも主張されている内容と同じものだったのだが、ここではそれは問題にしない。むしろ、演出が問題だ。
お二人が座っているのは、殺風景な、会議室のような部屋。お二人は、やや疲れ気味の表情なのだが、カメラは少し引いた固定アングルからツーショットを撮り続ける。プロフェッショナルな雰囲気は全くない。
一人(どちらかは忘れた)のクロースアップ。汗をかいている。言葉が詰まり気味になる。
このような映像で、「従軍慰安婦は『従軍』ではなく…。」とか、「彼らは売春婦で…」という発言を聞くと、一般人には歴史修正主義者とはこのような姿をしているのか、などと思う人も多いのではないかと思う。こんな映像を撮らせてしまうなんて、「つくる会」にはPR担当がいるのだろうか? と思ってしまった。
いわゆる歴史問題などの問題は、アメリカでも日本でも、出来れば関わりたくない種類の問題ではある。関わったら関わったでいろいろと面倒なことになるのは目に見えている。しかし、この手の問題を看過することにより、取り返しのつかない事態になることもある。たとえば、前に書いたように、『レイプ・オブ・南京』が出たときに、専門が日本の歴史家が批判出来なかったことによるダメージははかりしれないと思う。そういうとき、どう行動したらいいのだろうかと思ったりする。
このように、日本国内の言論と海外の日本研究における日本像のギャップを思うとき、心に引っかかっている一つの文章がある。
シカゴ大教授のノーマ・フィールドが著した『天皇の逝く国で』という本がある。昭和天皇が崩御した1989年に日本にいたフィールド氏が、本島長崎市長、夫が靖国神社に祀られることを拒否した妻、沖縄で日の丸を燃やしたスーパーマーケット店主などに話を聞いた書いた本だ。この本、実はアメリカの大学ではよく授業で使われていたりする。
この本で、本島市長に送られた手紙が多く紹介されているのだが、そのうちの一つ、ある神主が書いた「お決まりの反論」について、著者は次のように書いている。
冷静な論証の口調でありながら、議論の土俵をすりかえていく論法からすると、この筆者と議論するのは困難だろうと察せられる。天皇の開戦の宣言は忠実な立憲君主としての行為であるという彼の最初の主張はーーこれは完全に西洋近代の考え方に立っているーーそれに続く論点によってたちまち土台を掘りくずされてしまう。あとのほうの主張全体を支配しているのは、日本人たることが意味するものへの揺るぎない感覚なのだから。それでいてこの議論自体に、下部・上部構造というマルクス主義の語彙が援用されている。幾世代もの日本の思想家が身につけてきたとおり、日本を西洋近代から救出する努力それ自体が、西洋の道具、とりわけそれらを定式化するのに使われる哲学概念と言語によって、避けがたく汚染されている。 (『天皇の逝く国へ』p.248 )
この一文を読むと、私は途方に暮れてしまう。
一見、この文章は、日本の保守派によくある、「議論のすり替え」に対する批判とも思える。確かに、日本の保守派の議論というのは、「国益」とか「人権」などという概念をその場の都合がいいときだけ援用することがある、という批判は免れないと思われるときがある。この点は、日本の保守派の言論を、日本の論壇の文脈から外に出したときに明らかになることが多い。歴史教科書問題に加え、最近議論になっている、外国人参政権の問題、竹島問題の保守側のトーキング・ポイントを見ると、全体として一貫しない意見の寄せ集めであることがある。それは国内では通用するが、一度日本の文脈から外に出したら、議論の一貫性を問われるだろう。その意味で、この批判は、日本の保守派の言説のひとつの有効な批判になっている、と私は思う。
しかし、「日本を西洋近代から救出する努力それ自体が、西洋の道具、とりわけそれらを定式化するのに使われる哲学概念と言語によって、避けがたく汚染されている」としたら、いったいどうしたらいいのだろうか。彼女の議論の論理的な帰結を考えたら、その「汚染」は、「日本を西洋近代から救出する努力」というより、それを含む日本近代の言論、ひいては「日本の近代」という体験そのものの宿命になりはしないのだろうか。また、もしそうだとしたら、「日本の近代」というのは、常に借り物でしかありえないのだろうか。いっそのこと、その「借り物」感を全肯定できればいいのに、という気もするのだが、ああ、それは出来ない気がする私は何なんだろう。そんなことを言ったら、誰の「近代」が「借り物」でない、と言えるのだろうか。また、日本の近代に語られた言葉の総体を想い、現在あるその英訳を想うとき、確かにそれは「借り物」的オーラを放出しているのだが、だからといって、その言葉の重みを無視する訳にはいかない気がする。映画 "MISHIMA" で、三島が、東大学生たちに向かって語っていた、「君たち、僕はもう、ここまで来たら意地だ」と言う言葉を思い出す。
私は、フィールド氏の文章は正しいと思うが、また同時に、そのあまりの正しい言説を(そのあまりの正しさ故に?)認めたくない気持ちもある。私は、正統であり・確かである「西洋の近代」という基盤に立っている著者が、あいまいであやふやな基盤にある「日本の近代」を見下して、軽蔑しているのではないかと思うし、その軽蔑にどうしても反発してしまう。それゆえ、この本で軽くいなされている、論理的には圧倒的に不利ないち神主(というか、彼が代表するもの)の味方をしたい、と思ってしまう。とはいえ、アメリカの学会では、このような声の味方は少ない。この状況については、いろいろと根本的に考えていく余地があると思うのだが、別に短期的な解決があるわけではない。まあ、私はヘタレなので大きな声では応援できないが、小さな声で、こっそり応援を続けていきたいと思う。
TrackBack
Listed below are links to weblogs that reference 海外から見る「日本の保守派」の風景:
» 日本の歴史問題と米国から見た視点(むなぐるまさんへのコメント) from やじゅんの世界ブログ/The World according to YAJUN
米国TV事情についてシリーズ記事を書いているところですが、むなぐるまさんの記事を見て、同じ米国に住む者として共感するところ・思うところがあったので、シリーズをち... [Read More]
Tracked on Mar 21, 2005 10:13:04 AM
» 在日参政権と国家安全保障 from 週刊オブイェクト
一ヶ月前に貰っていたメールのサイト掲載許可を得ていたのですが、それを今更になって使う事にしました。メール送り主は「在日三世」さん。(SEESAAで有名なコリアン... [Read More]
Tracked on Mar 25, 2005 8:56:51 AM
» 海外から見る「日本の保守派」の風景(むなぐるまさん) from Demilog
むなぐるまさんのweblogはもうすぐ閉鎖されるとのことで、良いお仕事が見つかってまた再開されるといいな、と思うのでした。で、某所のコメント欄で思わず書いちゃい... [Read More]
Tracked on Mar 27, 2005 3:09:39 AM
» ネット社会を非難する“識者”へ from 」」」CNN」」」+ヽ(`ε´#)ノ
“1%”の価値の重みは、ネットに潜む99%のデメリットを含め、全てのマスメディアの功罪を上回るメリットを生んでいると私は思っている。そして、その“1%”が存在し... [Read More]
Tracked on Mar 29, 2005 2:20:45 PM
» フランスの教科書問題 from 人生とんぼ返り
昨日何となく日中関係のことであちこち回ってたら
こんなブログさんにたどり着きました。
ラテンなニュース 「パリ市長がフランスによるアルジェリアの植民地支配を謝罪」
25日、アルジェリアを訪問したパリ市長ドゥラノエ氏が、フランスによる過去の植民地支配を批判する発言を行った。
元々フランスはアルジェリア戦争ってのがあって、
「戦争」って言葉も最近まで使われてなかったんですが。
実はアルジェリアは保護領ではなく、フランス共和国の一部という位置づけだった。
フランスから移民した白... [Read More]
Tracked on May 2, 2005 1:59:47 AM
The comments to this entry are closed.
Comments
自己レス。
この文章、現在かつてないほど強固になった日米同盟についての見解がすっぽりと抜けていると思われる方も多いかもしれません。確かに、現在のブッシュ政権では、日米の政権双方にとって日米同盟はアジア外交の基幹で、その中で小泉政権の保守的な政策も裏付けされていると思います。切込隊長のライス国務長官のアジア歴訪についての記事はそういう意味では正しいでしょう。
http://kiri.jblog.org/archives/001467.html
ま、私の記事の方は、これはこれで私の限界というか、今生きている世界からの眺めを表していると思うので、そのまま放置しておきますが。
Posted by: むなぐるま | Mar 21, 2005 7:06:16 AM
>「国益」とか「人権」などという概念をその場の都合がいいときだけ援用することがある
>保守側のトーキング・ポイントを見ると、全体として一貫しない意見の寄せ集めであることがある。
具体的にはどういうことなのか。そしてそれはリベラル派と比べて特にそうであると言えるのか。ちょっと見えてこないですね。
例えば私の考える「国益」とは「日本の生存性を上げる事」ですが、ここでいう国益とはなんでしょうか。
Posted by: JSF | Mar 22, 2005 5:07:58 AM
>JSFさん
>具体的にはどういうことなのか。そしてそれはリベラル派と比べて特にそうであると言えるのか。ちょっと見えてこないですね。
たとえば、人権擁護法案を反対する理由として、「表現の自由」ということが理由として言われますが、では、「表現の自由」を守れと声高に叫んでいる人が、他の「表現の自由」を侵害するような案件で反対表明をするのかどうか、また、自分だけではなく他の人々の「表現の自由」を守ろうとするか、ということです。そうでなければダブルスタンダードですよね。人権擁護法案についても、きちんと原理原則論に戻って論ずる考え方が求められていると思います。
リベラル派がこの間違いを犯していないかというと、それは犯していると思います。日本の言論界の文脈でいえば、保守派のほうがひどいかということも言えないと思います。ただ、アメリカの日本学会などでは、保守派の味方はいないわけですが、そこで書かれているものを見ると、やはり何らかの形で理論的枠組みに遡及する形で議論をしているわけです。そういう努力は必要じゃないかなと。
Posted by: むなぐるま | Mar 22, 2005 8:01:40 AM
「表現の自由」に関して言えば、リベラル派やマスコミも結局は同じ事でしょう。他の「表現の自由」を侵害するような案件で反対表明をするのかどうか、保守派も含めて全て怪しいところです。特にマスコミは今回の法案でマスコミ規制は凍結された事で全く騒いでいません。どの陣営も自分達の事しか考えていない。しかしそれはある意味当然の事。
私は人権擁護法案に対して特に興味が無いので、こちらから他の例を出して見ます。
チベット問題・・・チベットの人権問題を騒ぎ立てアピールし中国を非難する人達。アメリカではそれはリベラル派が中心の筈です。民主党を始めとして、人権問題には彼らは敏感です。ヨーロッパでもそれは同じ事でしょう。保守派はこの問題については無関心です。
では日本の場合はどうか? これが逆転します。人権問題ならば先頭に立って活動しなけならない筈の人権派を自称する人達、それはリベラル派が殆どのわけですが、チベット問題に触れる人は極僅かです。逆に保守派が中国叩きの材料としてチベット人権問題を持ち出してアピールする例が多い。それは、本気でチベットの人権を心配しているとは言えないでしょう。しかし、押し黙っている人権派リベラルは、何なのでしょうか。
・・・とまぁ、このようにも言えてしまいます。
>歴史教科書問題に加え、最近議論になっている、外国人参政権の問題、
>竹島問題の保守側のトーキング・ポイントを見ると、全体として一貫
>しない意見の寄せ集めであることがある。
具体例を。教科書・外国人参政権・竹島でのトーキングポイントがバラバラであるという主張にピンと来ません。
Posted by: JSF | Mar 22, 2005 10:03:10 AM
>JSFさん
チベットについてはまったく同意します。日本のリベラル派は中国・韓国が相手になるととたんに甘くなりますし、また、日本の保守派が、チベットの人権云々ととりたてて言うならば、世界中にも人権侵害のケースはいくつもあるのに、なぜそれを追求しないかということにもなります。
ただ、それは日本のリベラル派も同罪ということであって、日本の保守派を免罪することにはなりませんね。日本の保守派は他山の石とすべきでしょう。
>具体例を
まず、私のスタンスをはっきりしておくと、これらのイシューでは、私は日本の保守派寄りの意見です。ただ、その時に持ち出される理由付けが、さまざまなレベルでなされるため一貫性を欠くのではないかということを思うことがあります。今考え直してみると、それは、たとえば「歴史教科書問題」というものが様々な側面をはらんだ複雑な問題だということであり、論者に議論の一貫性がないということだけではないと思います。私のこのエントリでの発言も少々おおざっぱで、印象批評的ということはいえるでしょうね。コメント欄ではこれらの問題をきちんと議論することはできませんし、これらの論点のひとつひとつについて新しいエントリを立てる時間的余裕もないので、私の印象として理解して頂ければと思います。
ただ、このエントリで言いたかったのは、日本の保守派は、海外に味方がいないということ、そして、海外の論者を説得するためには、日本の保守派は、個々の論点をその場しのぎ的に出すのではなく、大きな枠組みをふまえた上での議論をしていかないといけないのではということです。また、日本の保守派の声がアメリカの論壇や学会に乗ることはなかなかないわけですが、それには、(リベラル寄りのことの多い)学会やマスコミなどの構造的な問題もあるが、そうした議論の仕方の問題も出てくるだろうと言うことです。
時間がないのですが、少し具体的に書きます。
「歴史教科書」では、家永裁判と「つくる会」教科書の二つのケースで、検定についてどう考えるかのねじれがあります。保守派は、教科書の内容ではなく、国の教科書への関与が問われる問題として一貫性が求められるでしょう。家永氏が左翼的教科書を書く権利を認めるか、検定制度自体をなくしてしまうか、それとも、現在の検定制度の厳密な適用を求めていくかの立場をはっきりしたほうがいいと思うのです。また、個々の歴史的事件の検証、歴史記述のあり方、はては中等教育における歴史のあり方など、大きな枠で議論をしていくべきだと思います。
「外国人参政権」では、例えばこのようなサイト
ttp://f47.aaa.livedoor.jp/~practice/001.html
ここに挙げられている理念を他の問題でも追求しているのか疑問があります。私は、「外国人参政権」は認めるべきではないという立場ですが、この問題は、在日のアイデンティティ、人権の問題を、在日の人達の側から考える(総連・民団などの団体の利益と言うことではなく、在日の人達として)という視点がなければ解決はないと考えています。
「竹島」ですが、私はこの件に関しては日本に理があると思っています。ただ、この問題に関する議論で、韓国人の国民性とかを差別的に論じるものをいくつか見ました。外国で味方を作りたかったらそのような発言はすべきではないと思います。
Posted by: むなぐるま | Mar 22, 2005 11:16:03 AM
>それは日本のリベラル派も同罪ということであって、
>日本の保守派を免罪することにはなりませんね。
私は冤罪とする目的でチベットの例を出したのではありませんが。
『それは、本気でチベットの人権を心配しているとは言えないでしょう。しかし、押し黙っている人権派リベラルは、何なのでしょうか。』
このコメントにむなぐるまさんの言われた事は既に集約されています。保守派もリベラル派も同じ事をやっているなら、比較対象としての批判には成り得ない。しかし、むなぐるまさんのこのエントリーではそういった面が全く考慮されておらず、まるでリベラル派に対しての保守派の欠点、といったニュアンスで書かれています。それは、違う。
>時間がないのですが、少し具体的に書きます。
やはり、教科書・外国人参政権・竹島でのトーキングポイントがバラバラであるという主張の根拠としては程遠いと言わざるを得ません。
死んだ人間に何の判断を下せというのですか。
北朝鮮が存在している状況で、なにが参政権ですか。
極一部の幼稚な人が差別的表現を使ったからといって、だからどうしました。
Posted by: JSF | Mar 22, 2005 12:47:49 PM
初めまして、だいと申します。むなぐるま様がブログを閉じるというエントリーを書かれた後に第3者がコメント欄に割り込むのは大変不躾なことと思いますが、どうしても看過できない議論なので失礼を覚悟で書き込ませて下さい。
JSF様>
初めまして。ネット言論空間上におけるJSF様のご活躍、いつも拝見しております。軍事および安全保障の観点から日本の言論状況を酷く憂えていらっしゃることはJSF様が管理されているサイトを見てもよく分かります。このことを前提に、同じ軍事と安全保障に関心を寄せる者として一つ苦言を述べさせて下さい。
数年前、私はアメリカの某大学に短期留学して政治学と歴史学を学んでいました。留学先の大学は偶々アメリカでも有数の軍事史研究が盛んなところで、これ幸いとばかりに私は軍事史のコースを受講したのですが、担当の教授がこれまた運良くアメリカ軍事史学会会長を務めたこともある軍事史の大家の方でした。この教授は(アメリカ人の関心上)欧州戦域に偏りがちな第2次大戦の講義でも太平洋戦線に同等の時間を割き、また日本の軍や政府に対する説明も公平で客観的(むしろ好意的と言ってもいいくらい)なものでした。さすが大家ともなれば感情的なものになりがちなWWIIの日本に関しても予断のない理解を有しているんだなと感心したものでした。
ところがある日、その教授が私のところにNY Timesの切り抜きを持ってきたんですね。何だろうと思って記事に目を落とすと「日本の若きナショナリスト、歴史教科書を弄くり回す」という刺激的なタイトルが載っていて、小林よしのりが日本国内で人気を集めていることに絡めて「新しい歴史教科書」運動が勢力を得つつあることが述べられていました。その記事は明らかに一方に肩入れしたトーンで書かれており、「ナショナリスト」の歴史観を危険な変更思想と切って捨てる一方で家永教科書問題で「リベラル」は政府による歴史歪曲と戦った云々とありました。
今思えばオオニシ記者が書いた記事だったんでしょうね、そんな切り抜きを私に見せた後、教授は私に「だい、日本の歴史教育問題は大丈夫なのかな。家永教授のような良心的な歴史家の力はもうなくなってしまったのかね」と言ってきたんです。私は驚きました。あれだけ旧日本軍に理解のある(何せ防衛研究所とも交流がある!)先生が、戦後の歴史認識問題については所謂進歩派にシンパシーを示したことに。誤解を防ぐために言っておくと、教授はアメリカの人文学系研究者に多いリベラルではなく、授業中に「減税は当然だ」と冗談めかして言うような、恐らく共和党寄りの考えの持ち主でした。そんな教授が(日本人の私の目からすると)これだけギャップのある見方をしていたのですから驚きは隠せませんでした。
Posted by: だい | Mar 24, 2005 12:54:35 PM
(すみません、上の続きです。)
この体験を始めとして私がアメリカにいて強く感じたのは、欧米の人達には日本国内のイデオロギー論争が正しく伝わっておらず、知日的な知識人にさえ誤った理解をされているということです。それは1つには日本国内の言論が海外においてなかなか紹介されないという事情もあるでしょうが、それ以上に大きいのは日本のイデオロギー的言説があまりに国内向けのタームとロジックで埋め尽くされていて、海外のメディアや知識層に受容されにくい内容になっているということです。日本人の言論があまりに内向きで海外のオーディエンスを意識していない、そしてそのことが日本に対する政治的な誤解を徒に増やす結果に繋がる――恐らくむなぐるま様が仰りたかったこともそういうことではないでしょうか。
一度でも海外に出た日本人にとって上記のような誤解を招く国内の言論状況には強い危機感を覚えます。いつまで経っても冷戦時代の感覚のままで国内向けの言葉と論理を弄んで自己満足に浸っているのでは、ネットを介して一般レベルの政治論争までが海外の人々の目に晒される時代環境の中で日本に対する無用な誤解と不信を招来するばかりで、はっきり言って国益を害します。そういう日本人の政治的鈍感さに対し海外における日本認識を知っている人間は(繰り返しますが)危機感を禁じえないのです。日本の保守・リベラルの出鱈目さ云々ではなく、日本人が発す言葉がどう海外で受け止められるのか、そのことに対してセンシティブにあるべきではないのか?そういう問い掛けがこのエントリーの主眼ではないでしょうか。
この観点に立つと、JSF様の書かれた
>極一部の幼稚な人が差別的表現を使ったからといって、だからどうしました。
という発言は全く見過ごせないものです。日本が竹島問題に関して諸外国の政治的支持を求めている中で、所謂オピニオン層が平気で差別的表現を使っていたら果たして日本の立場はどうなりますか?公衆の面前で「ジャップetc.」と口走るような人間が欧米諸国でどう見られているか、ご存知ですよね?
むなぐるま様>
時機を逸している上に長文の書き込みで大変失礼いたしました。本当ならTB機能を使った方が良いのかもしれませんがコメント文に対するレスポンスということでどうかご容赦頂ければと思います。こんな素晴らしいブログの最後を汚してしまい申し訳ありません。
Posted by: だい | Mar 24, 2005 12:55:22 PM
>所謂オピニオン層が平気で差別的表現を使っていたら果たして日本の立場はどうなりますか?
どのオピニオン層が使っていたというのですか? 私は「幼稚な人」と言ったはずですが。 ネットやってる中の一部のガキが差別的表現を使ったからといって、だからどうしました。
>家永教授のような良心的な歴史家の力はもうなくなってしまったのかね
家永氏は亡くなられましたが、むなぐるまさんのレスは・・・
『家永氏が左翼的教科書を書く権利を認めるか、検定制度自体をなくしてしまうか、それとも、現在の検定制度の厳密な適用を求めていくかの立場をはっきりしたほうがいいと思うのです』
死んだ人間に何の判断をしろというのでしょうか。そもそもこの主張は「保守の論理がバラバラである」証左とは成り得ない。
参政権についてはわかりました。私がエントリを起こしTBを放りこみに来ますのでしばしお待ちを。
Posted by: JSF | Mar 25, 2005 5:38:03 AM
すみません。一応「更新終了」しているので、どこまで議論に対応できるかわかりません。こちらの方で新しいエントリを立てることはしませんし、どれだけ応答出来るかわかりませんが、コメントやTBなどは引き続きどうぞ。
私のコメント、少しわかりにくかったようですね。
「家永氏」云々というのは、「家永氏の書いたような教科書」という意味です。
私の知り合いの先生が日本の近代史の授業を教えたとき(もちろん、アメリカの大学で)、「つくる会」の英語パンフを学生に読ませたら、「ごく当たり前のことが書いてある。その通りだと思う」という意見が続出して「困った」そうです(笑)。だったら、なぜ「つくる会」は、アメリカのメディアでは「極右団体」ということになってしまっているのでしょうか。私は、教科書問題は、事実関係、イデオロギー論争、あるいは歴史論争ではなく、教育論争にフォーカスすればいいのではないか、と思っています。
人種差別的な物言いということでいえば、例えば、中宮崇氏のさるさるのサイトのこのエントリはゴミですね。日本の恥です。(via: gryphon さん)この人、『正論』やら『諸君』に寄稿してるんでしょ?
http://www3.diary.ne.jp/logdisp.cgi?user=312071&log=20050318
それから、たとえばakiさんのブログのエントリにつくコメントでも、図に乗って韓国人を見下したようなものがいかに多いことか。
まあ、本編でも、私は「小さな声で、こっそり応援を続けていく」と書いているんですが…。わかってもらえないのならば仕方ないです。
>だいさん
私の問題意識のところを汲んで頂いてありがとうございます。しょせんブログの記事ですので、きちんと書けてないですが。
NYTの記事はたぶんハワード・フレンチという記者の記事ですね。(こいつもひどかった…。)ともあれ、ご愛読ありがとうございました。
Posted by: むなぐるま | Mar 25, 2005 8:03:57 AM
>わかってもらえないのならば仕方ないです。
いいえ、最初からむなぐるまさんの仰られたいこと、主題は理解していますよ。「何故、日本の保守の意見は海外では知られていないのか、味方が少ないのか」でもそれはむなぐるまさんが既に書いている通り、アメリカでも大学などではリベラルが幅を効かせているせいも大きいわけです。そちら方の大学では、徴兵制復活を唱えるリベラル左翼系の教授が普通に居る有様です。
>中宮崇氏のさるさるのサイトのこのエントリはゴミですね。
その人、プロ2ちゃんねらーを自称するような人ですけど・・・
>この人、『正論』やら『諸君』に寄稿してるんでしょ?
寄稿内容はネット情報担当。(AAまで紹介している)こんな者を識者とでもいう積りですか?しかもメインは宝島でした。論評するに値しません。
Posted by: JSF | Mar 25, 2005 9:12:09 AM
むなぐるま様>
このようなタイミングで書き込むことに申し訳なく思っている次第です。むなぐるま様のエントリーが私の体験や問題意識とあまりに綺麗にオーバーラップしていたのでつい書き込まずにはいられませんでした。大変気が引けるのですがもう少しだけコメントを続けさせて下さい。
(それにしてもNYT、日本関連の記事はトホホなものが多いですね。普段アメリカ報道や国際報道で重宝しているだけに残念です。)
JSF様>
「主題は理解していますよ」とありますが、残念ながらこちらの問題意識は上手く伝わっていないようです。
>アメリカでも大学などではリベラルが幅を効かせているせいも大きいわけです。
この点だけに問題を還元できないからこそ危機感を感じている訳です。もしリベラルが全ての元凶なら、私のコメントにあったアメリカ人教授のことはどう説明します?リベラルではない、ましてや「徴兵制復活」なんて唱えっこない元軍事史学会会長ですらああいう認識な訳ですよ?もちろん「日本のことに疎いんだろう」という言い訳が通じないことは私のコメントを読んで頂ければ分かる筈です。
>その人、プロ2ちゃんねらーを自称するような人ですけど・・・
>こんな者を識者とでもいう積りですか?
こんな者だからこそなおさら問題なのです。今日び一国のネット言論が自動翻訳等を介して他国の掲示板やブログで紹介されるのは全く珍しいことではありません。むなぐるま様がアメリカのブログ言論状況を今まで紹介されてきたことや、2chの韓国系スレでNaver翻訳された韓国「ネチズン」の言動がコピペされていることを考えれば簡単に分かることです。そんな中、日本のネット上における「市井の人々の言葉」が差別表現に満ちていると欧米の人々の目に触れたらどうなるでしょうか?ましてや論壇誌に記事が載るような「ネット界のオピニオンリーダー」(と向こうの人の目には映るであろう)人間が、自分のウェブサイトで平気であんな言葉遣いをしていたら……?アメリカ人にとっては言わば「National Review」誌に投稿する人間が自身のブログで平気で「Nuke those Japs!」と書いていても何ら咎められない、そんな程度の言説水準を持った国という風に受け止められるでしょう。
失礼を承知で苦言を述べさせて頂きますが、国家安全保障についてあれほど案じていらっしゃる方が欧米の世論における対日認識についてこれほど無頓着であることは理解に苦しみます。同盟国アメリカや日本に好意的な欧州諸国(イギリス等)との安全保障関係を強固にするには、何よりも個人レベル(グラスルーツにせよ知識人にせよ)での対日認識を良好なものにしなくてはなりません。(古くは日露戦争と日英同盟、最近では日米貿易摩擦と日米同盟を思い起こして頂ければ分かるかと思います。)そしてそのためには日本国内の政治的議論が内向きの自己満足ではなく常に外を意識した、海外のオーディエンスの見聞に耐えうるものにしておく努力が必要です。(これは海外で生活した日本人としてはっきりと断言できます。)故に国家安全保障を案ずる人間こそ日本の国益を害する言説に対して人一倍敏感である筈だと考えますが、JSF様はそれでも些末な問題であるとお考えでしょうか?
Posted by: だい | Mar 25, 2005 11:29:11 AM
>残念ながらこちらの問題意識は上手く伝わっていないようです。
当然でしょう。むなぐるまさんの言いたいこと、アメリカでの現状の説明は理解しています。ですが私はそれをさほど問題であると思っていないのですから。
>もちろん「日本のことに疎いんだろう」という言い訳が
>通じないことは私のコメントを読んで頂ければ分かる筈です。
原因は日本保守派の言い分の“中身”を見た事が無かったから。伝える人も居なかったから。問題は其処です。
>日本のネット上における「市井の人々の言葉」が差別表現に満ちていると
>欧米の人々の目に触れたらどうなるでしょうか?
「満ちて」はいないので問題にしていません。それにネット上で口が汚くなるのは何処の国でも同じです。私自身は常用したりはしませんが。
>欧米の世論における対日認識についてこれほど無頓着であることは理解に苦しみます。
そもそも日本世論に置ける保守派の主張は、ここ何十年と細々としていたものでした。それが急激に逆転したのはここ数年の話です。これが海外にまで伝わるには更なる時間が掛かって当然でしょう。
無頓着ではないのです。まだ伝わっていなくて当然だと考えています。
Posted by: JSF | Mar 25, 2005 11:52:43 AM
だいさんとJSFさんの議論はすれ違ってしまっているようですね。現状認識が違うということなのかもしれません。私は、日本の情報はあふれているのに、日本の論壇の議論が伝わっていないということには、やはり構造的な問題があると思っています。
ところで、中宮氏のエントリ、読み返す度に腹が立ってきたので、記録・晒し上げの意味でこちらにコピペしておきます。
(quote)
■2005/03/18 (金) 朝鮮を、平に整地し、世界遺産
ゴキブリチョンどもが、遂にやっちゃいますた(;´Д‘)
馬山市議会、「対馬の日」条例を制定
http://japanese.joins.com/html/2005/0318/20050318191545200.html
昨年、ソウルの日本人学校をの女の子をぶち殺そうとしたゴキブリチョンがいましたが、こんな害虫どもがうるさくうごめいていても、罪チョンどもが一匹も駆除されない日本は、なんていい国なのでせう(=゜ω゜)ノ
先日世界遺産に登録された原爆ドームだが、チョンどもも半島ごと核で整地して世界遺産に指定したいのー。
(unquote)
Posted by: むなぐるま | Mar 25, 2005 12:50:36 PM
>ところで、中宮氏のエントリ、読み返す度に腹が立ってきたので、
>記録・晒し上げの意味でこちらにコピペしておきます。
誰もそんな馬鹿相手にしてないんですよ。もう少し落ち付いてから書き込んで下さい。私には貴方が迷走にているように思えます。
Posted by: JSF | Mar 25, 2005 1:16:03 PM
>JSFさん
ブログにコメントが付くと、メールで通知が来るので、ついレスが早くなってしまいます。
まあ、私も人間で感情的な部分もありますし、間違いもします。ただ、この件(ネットでの差別的な言辞)については、常日頃思っていたことでもあります。もちろん、「馬鹿は相手にしない」という対応の仕方もあると思いますが、ネットの現状はJSFさんが認めておられる以上にひどいと思います。「罪を憎んで人を憎まず」ということがなぜ出来ないのでしょうか。【追記:「罪」というと語弊がありますが、要するに、その人の行動を批判しても、その人・民族・人種を差別しないという意味】
ということで、上のコピペについてはそのままにしておこうと思います。それで私が感情的に反応していると思われても仕方ありません。判断は皆さんにお任せします。
ところで、JSFさんは、「迷走」とか「根拠が薄い」とか、決めつけが多くありませんか? 貴兄のようなアグレッシブなコメントの付け方をする人が増えるとブログをやりたいと思う人が減ると思いますよ。そもそも、私は何でそんなに絡まれなければいけないのかわからないです。というか、静かに引退させてください(笑)。
このエントリのコメント欄では、どの問題も具体的には十分に論じられないと思います。TBを頂いたJSFさんのエントリは読ませて頂きましたが、重要な指摘があると思います。これからも各所で議論を続けていただきたいと思います。
Posted by: むなぐるま | Mar 25, 2005 2:01:33 PM
管理の都合上、ここのコメント欄は一度閉鎖します。ご意見はTBで。ご了承下さい。
Posted by: むなぐるま | Mar 25, 2005 2:12:03 PM
JSFさんからメールで反論を頂きましたので、これだけ転載してまたコメント欄を閉じます。まあ、お互い行き違いの部分もあると思いますし、これ以上私からも反論はしません。JSFさんは敵ではなく同じ側だと思うんですが…。
これは言論戦争だとすると(戦争のメタファーを使うことが不快な方もいるかもしれませんが)、局地的に勝つことを考えるのではなく、100年先に勝っているためにはどうしたらいいかということも考えた方がいいと思います。
これで終わりにさせて頂きます。JSFさん、これからもブログの方は拝見させていただきます。
【追記 3/26】それから、この件で、JSFさんが最も引っかかっておられるのは、このエントリが、「日本のリベラル派」と比較した上での「日本の保守派」の批判と読まれかねない、という点だと思います。その点については誤解される書き方だったかもしれません。「日本のリベラル派」も、世界の言論から切り離されている意味では「日本の保守派」と変わりありません。(その点、このエントリを読んでいる「リベラル」の皆さんも誤解のないようにお願いします。)ただ、アメリカの言論界が日本について論じるとき、どうしても「リベラル側」に味方することが多いのです、それはなぜか考えてみませんか、ということなんです。ブログのエントリというのは、2ちゃんねるの >>1みたいなもので、不完全なものです。(そうでなければブログの長所である速報性が失われます。)それが、コメントやTBを通して論点が煮詰まっていくということがあると思います。その点でJSFさんのコメントには感謝します。また、JSFさんのTB記事も是非読んでみてください。
(quote)
>ところで、JSFさんは、「迷走」とか「根拠が薄い」とか、決めつけが多くありませんか?
原文はこれですが。
『私には貴方が迷走にているように思えます』
「にているように」は「しているように」の間違いです。それはともかく
『〜ように思えます』で決めつけ、ですか。もし「貴方は迷走しています」と書いたらそれは決め付けでしょう、けれど「思えます」で決めつけだと言われるのは・・・。
「根拠が薄い」については、私は自信を持っていいました。貴方は「教科書・外国人参政権・竹島でのトーキングポイントがバラバラである」と言いました。ですが私にはバラバラとは思えません。教科書はこういうものも認めさせるということ、外国人参政権は認めない、竹島は平和的に国際司法裁判所で争いましょう、という方向でほぼ一致しておりバラバラとはとても言えません。
しかも貴方は次の一点を無視しています。
保守派もリベラル派も同じ事をやっているなら、比較対象としての批判には成り得ない。しかし、むなぐるまさんのこのエントリーではそういった面が全く考慮されておらず、まるでリベラル派に対しての保守派の欠点、といったニュアンスで書かれています。それは、違う。私は冤罪とする目的でチベットの例を出したのではありません。
そしてむなぐるまさんのエントリの主題は「日本保守派の論は何故アメリカで知られていないのか」であり、その原因は保守派の論がバラバラであるからでも、一部の馬鹿が口汚いからでもありません。そう言った要素は日本リベラル派にも多く見受けられる事だからです。
貴方は問題を見つけていながら原因を発見できていません。
>貴兄のようなアグレッシブなコメントの付け方をする人が増えるとブログをやりたいと思う人が減ると思いますよ。
それがどうしました。
>そもそも、私は何でそんなに絡まれなければいけないのかわからないです。
>というか、静かに引退させてください(笑)。
エントリー内で具体例を出さず、保守派の論陣がバラバラである根拠を出さなかったこと。その内容がリベラル派に対しての保守派の欠点、といった誤解を生むこと。説明不足であること。はっきり言いましょうか、貴方が碌な根拠もなく”決めつけていた”事が腹立たしかったんです。
最大の要因は、せっかく問題点を見つけていながら原因を発見できておらず、中宮のようなどうでもよい雑魚に噛みついて感情的になっていること。とても惜しいです。貴方のことを高く評価していたのに。
アメリカに広まっていない理由なんて、日本で保守論陣が認められ始めたのはここ2、3年の話なんですよ・・・アメリカに人脈も少ないでしょう、伝える速度には限界があります。
このメールの内容については自由に公開されて結構です。
(unquote)
Posted by: むなぐるま | Mar 25, 2005 3:41:28 PM