「調査報道は新聞の生命だ ブログに使命感あるか」だそうだが
記者の目:ライブドア堀江貴文社長への反論=渡辺雅春(社会部)(毎日新聞)
via: finalventの日記、ネットは新聞を殺すのかblog
表題のように、「ジャーナリズムは、自由で公正な社会を実現するため、人々に必要な情報を提供することだと考える。」と言う記者のご意見。
ただインターネットもジャーナリズム的機能を担う可能性はある。注目されるのはウェブログ(ブログ)だ。ホームページより簡単に開設できるウェブサイトで、誰もが情報を発信できるだけでなく、知らない人同士で双方向のコミュニケーションができる。
趣味の話から、専門家が政治・社会問題を論じるなど、内容は幅広い。米国ではブッシュ大統領の軍歴報道を巡り、ブログが発信した情報からCBSテレビの誤報が明らかになり、幹部が辞任した。影響力を持ち、多種多様な意見の交換が可能なブログには、一種の世論形成機能もある。
しかしながら、組織的、継続的に社会をウオッチし、報道を続けることがブログでは不可能だ。情報を集め、裏付けを取り、その事実が社会にどのような影響を与えるのかを考慮して報道するのは、訓練を積んだプロのジャーナリストでなければできない。社会は倫理観と責任感を持ったジャーナリズムを必要としている。そう信じる。
「そう信じる。」(笑)…と書いて終わりにしてもいいのだが、もう少し書く。
私は、基本的に「ネットは新聞を殺すのか」の湯川氏が上のエントリで書いておられるように、ブログは単体でなければ「ブロゴスフィア」の総体として、現在新聞が担っているような継続性・倫理性を発揮出来るのではないかと考えている。もちろん、ブログがそのような役割を果たすためには、ブログの書き手・読み手共に改善すべき点はある。しかし、大手マスコミの書けないタブーに果敢に挑戦したり、ネット全体の調査能力をフルに活用した、ブログならではの情報というのも出てきている。NHK・朝日問題とか、まさにそうだと思う。
それより、前にこのエントリで書いたように、アメリカでは、ニュース源としての新聞(紙メディア)の退潮が深刻である。この記者のような変なプライドにとらわれている場合でなく、メディアの潮流の大きな変化に新聞という組織がどう生き残っていくのか、真剣に考えた方がいいんじゃないの?
もちろん、現在のブログが、調査に基づく大手ジャーナリズム記事に依存するという現状はあるわけで、それこそ新聞がブログになってしまってはブロガーの方が困ってしまうわけだが、いっぽう、情報のスピード、また、組織体質・思想的な足かせから自由な議論など、ブログが現在大手メディアに欠けている部分を補完している部分もかなり出てきたと思う。だからこそ、アメリカでもブログからニュースを仕入れる人が増えているわけで。そういう現状を無視して、こういう、ブログを見下す偏見たっぷりの記事を書いても、ブログ界隈で晒し上げを食らうだけだと思うのだが。ということで、やっぱり
「そう信じる。」(笑)
で締めたいと思う。
p.s. 渡辺記者は、まだ見てなかったら、これ見て下さいね。
Epic 2014 (日本語訳)
フィクションには違いないが、恐ろしいほどリアルな可能性を描いているのではないかと思う。
好むと好まざるとにかかわらず、こういうのがメディアの未来なんじゃないかと。
p.p.s. 「愛と妄想の日々」からのTBで知った産経抄(3/18)。これも、実態を知らない新聞界のおエライさんのつぶやきという感じ。「プロ集団」というなら、その実力を発揮して、ネットでは絶対見られないような紙面を作って下さい。話は、それから。これも(笑)である。
TrackBack
Listed below are links to weblogs that reference 「調査報道は新聞の生命だ ブログに使命感あるか」だそうだが:
» [社会]メモ:むなぐるま氏のブログから from 研究メモ
「『調査報道は新聞の生命だ ブログに使命感あるか」』だそうだが」 ../../2005/03/po... [Read More]
Tracked on Mar 17, 2005 9:17:04 PM
» ホリエモンへの反論への反論 from ラテ欄未満
※Livedoorのブログを使っているからといって、特にホリエモンやライヴドア支持者でないことを最初に断っておきます。
昨日の毎日新聞の「記者の目」という... [Read More]
Tracked on Mar 18, 2005 8:36:04 AM
» 産経抄「インターネットがテレビや新聞を殺す」 from 愛と妄想の日々。
本日(3月18日)付け産経新聞の産経抄ではライブドア社長の「インターネットがテレビや新聞を殺す」という言葉が取り上げられている。
ここで産経抄はこの言葉に... [Read More]
Tracked on Mar 19, 2005 4:03:47 AM
» 調査報道は新聞の生命だ ブログに使命感あるか ってやっぱりおかしい from Forward
私もたまたま毎日新聞をよんでいてこの箇所には引っかかりました。訓練を積んだプロの [Read More]
Tracked on Mar 19, 2005 7:22:29 AM
» 新聞とテレビ局の系列問題 from 情報流通促進計画
今回のライブドアの件で、テレビ局の存在意義、公共性がテーマになった。確かにマスメディア、特に巨大メディアであるテレビのキー局や全国紙には「権力の暴走を監視する役... [Read More]
Tracked on Mar 19, 2005 10:04:17 PM
» [時事][ブログ]「ネットの中での報道」についていくつか from 見えない道場本舗
その金平氏の、最近のコラム。 >> 数日前から気になっていることがある。CNNが午後の定時番組のなかで、Inside the Blogというコーナー... [Read More]
Tracked on Mar 20, 2005 4:46:03 PM
» 自己言及的メタ愚論 from 無関係な死
お、産経新聞と毎日新聞、意見が合ってる。まぁ利害が一致してるんだから当然か... [Read More]
Tracked on Mar 21, 2005 2:55:45 AM
» 少年非行に関する世論調査。 from 愛と妄想の日々。
なんでも、内閣府が「少年非行に関する世論調査」というのを行ったらしく、その調査結果が19日発表された。
それを伝える各新聞社・通信社サイトの報道は次の通り。
... [Read More]
Tracked on Mar 22, 2005 7:37:17 AM
Comments
2014、面白かったです。情報発信に必要なコストがnegligibleなものとなった今日は、既存メディアの内堀が埋まった状態であるという基礎的な認識が、メディア当事者達には希薄過ぎるように感じられます。こうした状況を乗り越えるのに必要な「技術的先進性」を、どっぷり保護された体質のもとでどの程度蓄積してきたか。ライブドアvsフジの戦いで、これまで日本の企業経営者達の後進性を徹底して糾弾してきたメディアの経営者達こそが、最も後進的であることまでもが白日の下に晒されました。既存メディアの(経営体)としての崩壊、我が国では2014年よりはるかに早く訪れるかも知れませんね。
Posted by: 高桐院 | Mar 21, 2005 3:38:36 AM